◎噴煙は高度15,000mに到達したと報告されている。
2021年12月4日/インドネシア、東ジャワ州ルマジャンの避難所(Rokhmad/AP通信)

12月4日、インドネシアのジャワ島にあるスメル山が噴火し、火砕流に巻き込まれた1人が死亡、数十人が負傷した。

スメル山の標高は3,676m、ジャワ島の東に位置する。今回の噴火で影響を受けた地域は東ジャワ州ルマジャン地区の一部の村と伝えられている。

インドネシア地質調査センターのエコ・ブディ・レロノ所長によると、スメル山は現地時間の14時30分頃に噴火したという。当局は火口から5km以内を立ち入り制限区域に指定した。

レロノ所長は記者団に対し、「火砕流は火口から800m流れ下り、ルマジャン地区の村に到達した」と述べた。噴煙は高度15,000mに到達したと報告されている。

インドネシア航空庁は空港と航空各社に火山灰に警戒するよう呼びかけたが、その後の声明で今のところ運航に影響は出ていないと発表した。

ルマジャン地区の責任者は記者会見で、「近くのマラン地区につながる道路と橋が寸断された」と語った。「数百人が安全な避難所もしくは火砕流の届かない場所に避難しました...」

ルマジャン地区の担当者は、これまでに重度の火傷で1人が死亡し、少なくとも41人が病院に搬送されたと述べた。また、村の住民2人と連絡が取れず、地区内で仕事をしていた数人が取り残されたと報告を受けていると明らかにした。

地元のテレビ局ONEによると、ルマジャン地区で採掘作業を行っていた数人は、川の近くにある集落に退避した可能性が高いという。この集落につながる道路は火砕流で寸断されたと伝えられている。

一方、インドネシアの防災庁は声明で、少なくとも35人が地元の医療機関に搬送されたと報告を受けたと発表した。

インドネシアは環太平洋火山帯に沿って形成されており、127の火山のうち69の火山が活発に活動している。

グレートマウンテンと呼ばれているスメル山はジャワ島で最も標高の高い活火山で、今年1月と昨年12月にも火砕流を伴う大規模な噴火が発生した。1月の火砕流は火口から4~5km流れ下ったと伝えられているが、死傷者はいなかった。

2021年1月16日/インドネシア、ジャワ島、スメル山(ロイター通信)
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