◎ウラジーミル・プーチン大統領とジョー・バイデン大統領は来週電話会談を行う予定と伝えられている。
2021年12月3日/ウクライナ、東部ドネツク地域、周囲を警戒するウクライナ軍の兵士(Andriy Dubchak/AP通信)

12月3日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナ東部にNATO(北大西洋条約機構)軍を配備しないという保証を求めると述べた。

これに対しホワイトハウスは3日、「ウクライナ東部に圧力をかけているのはロシアであり、西側諸国は危機を回避するための措置を講じている」と記者団に語った。

またホワイトハウスは、「ロシアとNATOの衝突を回避する取り組みは進んでいる」と強調した。

ウクライナとNATOの同盟国はウクライナ東部で進行中の危機に深刻な懸念を表明している。一部の専門家はドンバス戦争の再燃とロシアのウクライナ侵攻もあり得ると警告した。ウクライナとロシアの支援を受ける分離主義者は2015年の停戦協定ミンスクⅡに合意したが、合意以降も各地で小競り合いを続けている。

ロシアは2014年にウクライナ南東部のクリミア半島を併合し、クリミアを「自国の領土」と宣言したが、国際社会はこれを認めていない。

その後、クリミアの北東部に位置するドネツクとルハンシクの分離主義者はウクライナからの独立を宣言した。ロシアは「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認したが、西側諸国とウクライナは分離主義者をテロリストと見なしている。

プーチン大統領は先日、「NATOがロシアの領土(ウクライナ東部)に兵器を配備すれば、レッドラインを越えたと見なす」と述べ、NATOを強くけん制した。

ウクライナのオレクシイ・レズニコフ国防相は3日、ロシアはウクライナ東部近郊とクリミアに兵士推定94,300人を配備したと明らかにし、「年明けに大規模なエスカレーションに発展する可能性がある」と警告した。

一方、ロシアの外交顧問であるユーリ・ウシャコフ上級担当は3日の記者会見で、「プーチン大統領とジョー・バイデン大統領は数日中に話をする」と述べ、詳細は近いうちに発表すると付け加えた。AP通信によると、ホワイトハウスはウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の要請に応じ、来週ロシアに電話をかけることに合意したという。

ウシャコフ氏は記者団に、「NATOの指導部は1990年代初頭、ソビエト指導部に口頭で東方に勢力を拡大しないと保証したが、その後西側は旧ソビエト加盟国に多くの兵士と兵器を配備し、約束を破った」と述べた。

アントニー・ブリンケン米国務長官は2日にストックホルムでセルゲイ・ラブロフ露外相と会談し、ウクライナ東部から軍を撤退させるよう要求した。しかし、ラブロフ外相はNATOの軍拡を非難し、「ロシアは西側の火遊びに対処せざるを得ない」と反論した。

ウクライナはNATOへの加盟を求め、NATOはこれに応じると約束したが、加盟に向けた具体的なスケジュールは示されていない。

ウクライナのレズニコフ国防相は衝突の可能性に深刻な懸念を表明したが、「政府の任務は衝突を回避すること」と強調した。「軍と専門機関は最悪のシナリオを含むすべてのシナリオを考慮し、分析を進めています。ロシアが動く可能性が高い時期は来年1月末と予想しています...」

一方、ロシア連邦院(上院)のコンスタンティン・コサチョフ副議長は3日に放送された国営放送のインタビューの中で、「ウクライナを攻撃する計画はない」と語った。「ウクライナの国境付近で軍事活動が活発化することはありません...」

しかし、ロシア政府はウクライナ軍がドネツクとルハンシク地域の支配権を取り戻すために武力を行使するかもしれないと懸念を表明している。

ロシアの支援を受けるドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の長は2日、地元メディアの取材に対し、「ウクライナが攻撃を仕掛けてきた場合、ロシアに軍事支援を求める」と述べた。

バイデン大統領は3日、プーチン大統領に圧力をかけると約束し、「米国の政策はロシアの侵略を阻止することを意図している」と強調した。「私たちは今、プーチン大統領を抑えるための取り組みを進めています。私たちの仕事は包括的なイニシアチブをまとめることです」

2021年12月3日/ウクライナ、東部ドネツク地域のウクライナ軍基地(Ukrainian Joint Forces Operation Press Service/AP通信)
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