◎マライタ島の反政府デモ隊は24日、2019年に台湾との外交関係を断ち切り、中国との関係を強化したマナセ・ソガバレ首相の辞任を要求し、自治体の施設を襲撃した。
2021年11月26日/ソロモン諸島、首都ホニアラのチャイナタウン(Piringi Charley/AP通信)

11月26日、ソロモン諸島の首都ホニアラで発生した暴動はひとまず収束したが、連邦政府に対する反政府デモ隊とマライタ島当局の怒りは収まらず、問題が解決する見通しは立っていない。

マナセ・ソガバレ首相は26日、「諸外国の干渉が暴動を引き起こした」と述べ、問題から注意をそらそうとした。「ソロモン諸島には非常に大きな圧力がかかっています。それ以上は言いたくありません...」

米国はソロモン諸島政府ではなくマライタ島に直接援助を提供している。

マライタ島の反政府デモ隊は24日、2019年に台湾との外交関係を断ち切り、中国との関係を強化したソガバレ首相の辞任を要求し、自治体の施設を襲撃した。マライタ島の指導者とソガバレ首相は台湾をめぐる問題などで激しく対立している。

デモはマライタ島から首都のあるガダルカナル島に波及し、25日にチャイナタウンで新たな騒乱が発生した。

オーストラリアのシンクタンク、太平洋諸島プログラムのジョナサン・パルケ氏は公共放送ABCのインタビューの中で、「暴動はマライタ島とガダルカナル島の最新の抗争のひとつ」と述べた。「最も人口の多い2つの島は、貧困問題、限定的な経済発展、民族間の問題などをめぐり、激しく争ってきました...」

人口約70万人のソロモン諸島は、オーストラリアの北東約1,500kmに位置し、第二次世界大戦における「ガダルカナル島の戦い」の舞台として知られている。

マライタ島のデモ隊は24日の暴動で議事堂、警察署、その他の政府施設に火を放った。ソガバレ首相は24日遅くに非常事態を宣言したが、デモ隊はこの決定に激しく反発し、その一部はガダルカナル島に乗り込み暴動を煽った。

暴動に参加した男性はAP通信に、「私たちは公共サービスの致命的な欠如、政治家の汚職、そして中国企業を優先する政府の方針にイラついている」と語った。

2019年の中国シフトはソロモン諸島に5億ドル規模の投資を呼び込むと期待されているが、コロナウイルスの感染拡大に伴い、まだ実現していない。

マライタ島当局は台湾問題の是非を問う国民投票を行うと脅迫したが、ソガバレ首相は26日の声明でこの要求を却下し、議会は中国を受け入れるという政府の方針を支持したと述べた。「私は圧力に屈するつもりはありません。ソロモン諸島は民主国家です。私は中国を支持するという議会の決定を支持します」

台湾の中山大学のアンドリュー・ヤン元副国防相は、ソロモン諸島から外交承認を得るための中国の努力は、インド太平洋地域の支配に向けた取り組みのひとつと指摘した。「中国はその影響力を南太平洋地域に拡大し、地域のリーダーであるオーストラリアに圧力をかけています。南太平洋地域の島国は、米国の安全保障にも大きな影響を与えます」

一方、オーストラリアはソロモン諸島政府の要請に基づき、現地に支援部隊を派遣した。オーストラリアとソロモン諸島は2017年に二国間安全保障条約を締結している。現地メディアによると、外交官を含む第一陣は25日遅くに首都ホニアラに到着したという。

オーストラリアのマライズ・ペイン外相は26日の記者会見で、外圧がソロモン諸島の暴動を引き起こしたという兆候は見られないと述べた。「オーストラリアの見解は明確です。私たちは暴力を見たくありません。私たちは混乱の完全な終息を望んでいます」

地元のジャーナリストであるジーナ・ケケア氏によると、チャイナタウンは暴動と略奪でボロボロになったとう。「小さな商店も被害を受けています。ホニアラは上海のような大都市ではありません。暴動は地域の経済活動に深刻な影響を与えます」

中国外務省の趙 立堅(ちょうりつけん)報道官は26日、中国はソロモン諸島政府を支持すると強調した。また当局は、ソロモン諸島で生活する中国人の安全と権利を保護するための措置を講じていると述べた。

趙 立堅報道官は台湾を念頭に置き、「中国とソロモン諸島の公正で健全な関係を破壊しようとする外国勢力の試みを強く非難する」と述べた。

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