◎ソロモン諸島のマライタ島で24日に発生した反政府デモ隊による暴動は首都ホニアラに波及した。
2021年11月25日/ソロモン諸島、首都ホニアラの抗議デモ(Australian Broadcasting Corporation/AP通信)

11月25日、オーストラリアのスコット・モリソン首相はソロモン諸島に治安維持部隊と外交官を派遣すると発表した。

オーストラリア放送協会(ABC)によると、ソロモン諸島のマライタ島で24日に発生した反政府デモ隊による暴動は首都ホニアラに波及したという。

反政府デモ隊は2019年に台湾との外交関係を断ち切り、中国との関係を強化したマナセ・ソガバレ首相の辞任を求め、自治体の施設を襲撃した。

マライタ島の指導者とソガバレ首相は台湾をめぐる問題などで激しく対立しており、緊張に拍車をかけたと伝えられている。

政府は24日に夜間外出禁止令を発効したが、マライタ島の暴動は首都ホニアラに波及し、チャイナタウン地区で新たな騒乱が発生した。ABCによると、25日時点で死傷者は報告されていないが、警察署や他の施設で火災が発生したという。

モリソン首相は25日の会見で暴動を強く非難し、ソロモン諸島政府の要請に基づき、支援を提供すると述べた。オーストラリアとソロモン諸島は2017年に二国間安全保障条約を締結している。

政府の報道官によると、派遣される要員は兵士約100人、警察官23人、外交官少なくとも5人で、重要なインフラの保護や現地警察の支援などにあたるという。

モリソン首相は記者団に、「先方隊は25日に出発し、26日にはさらに多くの要員が現地入りする予定」と述べた。配備は数週間続く見込み。

首都ホニアラに集まった約1,000人のデモ隊はソガバレ首相の辞任を要求した。英BBCニュースによると、デモ隊の多くはガダルカナル島ではなくマライタ島の住民で構成されていたという。一部の暴徒は中国の企業を標的にしたと伝えられている。

ホニアラの中国大使館は25日に「深刻な懸念」を表明した。

ソガバレ首相は24日の演説でマライタ島を含む国の治安は確立されていると国民に約束し、反政府デモ隊を非難した。「首都とマライタ島の住民は悪意のある人々に惑わされないでください...」

オーストラリア政府はガダルカナル島とマライタ島の民族間抗争に伴い、2003年から2017年まで島に平和維持部隊を配備していた。

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