◎ナーシャ・ニーヴァは創立115年を迎えた独立系メディアのひとつで、ルカシェンコ大統領を批判する記事を掲載し続けてきたが、節目の年に活動を事実上禁じられた。
11月23日、ベラルーシの独裁者アレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、国内最古の新聞社であるナーシャ・ニーヴァ(Nasha Niva)を過激派組織に指定した。
ナーシャ・ニーヴァは創立115年を迎えた独立系メディアのひとつで、ルカシェンコ大統領を批判する記事を掲載し続けてきたが、節目の年に活動を事実上禁じられた。
国営メディアによると、首都ミンスクの地方裁判所は情報省の要請に基づき、ナーシャ・ニーヴァを過激派組織に指定し、非合法化したという。これにより、同社の記事に関与した個人は7年以下の懲役を科されることになった。
ルカシェンコ大統領は今年7月、ナーシャ・ニーヴァのオンライン新聞を閲覧不可にし、編集長と複数のジャーナリストを逮捕した。逮捕を免れた他のジャーナリストはベラルーシを離れ、別のドメインで情報を発信し続けている。
ベラルーシジャーナリスト協会によると、当局はこれまでに29人のジャーナリストを拘束したという。その一部はすでに実刑判決を受けており、残りは裁判を待っている。
ジャーナリスト協会の代表、アンドレイ・バスチューンズ氏は23日、「当局は独立系メディアをテロリストと呼び、破壊し続けています」と述べた。「ベラルーシの状況はキューバやイランよりひどく、北朝鮮レベルに近づいています...」
バスチューンズ氏によると、ナーシャ・ニーヴァはベラルーシの学校教育でも広く取り上げられるほど一般的だという。同社は昨年8月の大統領選挙後に繰り広げられた一連の抗議デモを世界に発信した。
ルカシェンコ大統領の私兵部隊はデモの参加者少なくとも35,000人を逮捕し、数千人を残酷に殴打し、主要な活動家は投獄された。大統領選に立候補し、「指名手配リスト」に加えられて野党党首のスヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ氏は隣国リトアニアに亡命している。
ルカシェンコ大統領は隣国ポーランドとの国境付近で進行中の移民危機を引き起こした張本人であり、国際社会から厳しく非難されている。
EU加盟国は先週、ベラルーシに対する制裁を強化することで合意したが、ルカシェンコ大統領はウラジーミル・プーチン大統領の後ろ盾のもと、強気な姿勢を貫いている。