◎ミロシュ・ゼマン大統領は糖尿病を患っている。
2021年10月8日/チェコ、首都プラハの大統領官邸、ミロシュ・ゼマン大統領(チェコ共和国大統領報道機関/Getty Images/AFP通信)

10月10日、チェコのミロシュ・ゼマン大統領(77歳)が下院議会選挙の翌日に緊急入院し集中治療室に運ばれた。

ゼマン大統領は首相や下院議長を歴任し、2013年に大統領に就任した。

現地メディアによると、ゼマン大統領は新政府の発足に関する協議を主導する予定だったという。

首都プラハにある軍病院のミロスラフ・ザボラル院長は記者団に対し、「ゼマン大統領は集中治療室にいる」と明らかにしたが、それ以上の詳細はゼマン大統領の要請に基づき公表しないと述べた。

政府の報道官は先日、「ゼマン大統領は9月に8日間入院し、その後も倦怠感と脱水症状に悩まされている」と明らかにしていた。ゼマン大統領は糖尿病を患っている。

ゼマン大統領は10日の朝にアンドレイ・バビシュ首相と会談し、その後プラハの郊外にある大統領官邸から病院に搬送された。

今回の議会選挙は中道右派であるバビシュ首相の政党ANO 2011が勝利すると予想されていたが、右翼の市民民主党(ODS)率いる右派連合が大きく議席を伸ばし、票数でANO 2011を上回った。

<チェコ2021下院議会選挙結果 定数200>
ODS連合:1,493,701票(27.8%)71議席
ANO 2011:1,458,121票(27.1%)72議席
チェコ海賊党:839,448票(15.6%)37議席
自由と直接民主主義:513,900票(9.6%)20議席
※比例代表制

ODS連合は9日、リベラルなチェコ海賊党と連立に向けた協議を行うと発表した。連立が成立すればバビシュ首相のANO 2011は野党に降格する。

しかし、ゼマン大統領は選挙前の記者会見で、「次の政府の指導者は連立ではなく第一党の党首を選ぶ」と述べていた。

ANO 2011は票数ではODS連合に敗れたが議席では上回ったため、ゼマン大統領は大統領権限に基づき、バビシュ首相に続投を命じると予想されている。

しかし、ODS連合のリーダーで首相候補のペトル・フィアラ議員はゼマン大統領に選挙結果を受け入れるよう要求した。「野党は勝利しました。チェコの憲法は過半数を獲得した党または連立が勝者であると明確に述べています。大統領は首相を指名する権限を持っていますが、選挙結果を無視することはできません...」

ゼマン大統領が職務を遂行できない場合、新しい下院議長が首相を指名することになる。議会は選挙から30日以内に会議を開き、議長やその他の役職を選出する必要がある。

ゼマン大統領は分裂的な発言を好み、アメリカのドナルド・トランプ前大統領を彷彿とさせる強い言葉を使うことで知られている。ゼマン大統領は6月に放送されたテレビインタビューの中でトランスジェンダーの人々を「嫌な連中」と表現し、批判された。

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