◎米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は上院軍事委員会の中で、「アフガニスタンのアルカイダは1年から3年以内にアメリカを脅かす可能性がある」と警告した。
9月28日、米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は上院軍事委員会の中で、「アフガニスタンのアルカイダは1年から3年以内にアメリカを脅かす可能性がある」と警告した。
アフガニスタンは8月末の米軍撤退前に崩壊し、武装勢力タリバンの支配下に置かれた。
ミリー将軍とロイド・オースティン国防長官は、委員会の議長を務める民主党のジャック・リード上院議員や上院共和党員から厳しい質問を受けた。
リード議長は冒頭、ホワイトハウスがアフガニスタン政府の崩壊の「兆候」を見逃したかどうかを理解したいと述べた。
28日の公聴会はオースティン国防長官の証言でスタートし、その後ミリー将軍が質問に答えた。
ミリー将軍はアフガニスタンのテロ攻撃から現地の米国民を保護することは難しいだろうと述べた。「タリバンは現在もテロ組織であり、アルカイダとの関係は断ち切られていません...」
「アメリカへの攻撃を熱望するアルカイダ、イスラム国(ISIS)とその関連組織のテロは非常に現実的であり、混乱状態にあるアフガニスタンでは今後12カ月から36カ月以内に新たな脅威が確認されるでしょう...」
ミリー将軍は、アフガニスタン政府の崩壊の速さは予想をはるかに上回っていたと認めた。
共和党員の質問に答えたオースティン国防長官は米軍の撤退と撤退期限(8月31日)を擁護したが、ミリー将軍と同じく、タリバンの乗っ取りは当初の予想より早く起こったと認めた。
オースティン国防長官は議長に、「私たちは国家を作ることができなかった」と述べた。「米軍とパートナー国が訓練したアフガニスタン軍は発砲せずに溶解し、私たち全員を驚かせました...」
一方、米国中央軍の撤退任務を指揮したケネス・マッケンジー将軍は質問に対し、「米兵2,500人の駐留を維持するよう勧めた」と述べた。「私はアフガニスタンに兵士2,500人をとどめるよう勧めました。また、2020年秋の時点では4,500人を維持するよう当時の政権に助言しました。これはあくまで私の個人的な見解です。米軍の撤退は政府の崩壊につながると私たちは考えていました」
ジョー・バイデン大統領は8月に放送されたABCニュースのインタビューの中で、米兵の駐留を勧めた者はいなかったという趣旨の発言をしており、マッケンジー将軍の回答と矛盾していることが明らかになった。
ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は28日の定例記者会見で、「大統領は統合参謀本部と軍の率直な助言を高く評価している」と強調したが、「いつも助言に同意するわけではない」と述べた。
サキ報道官は、米軍が8月31日以降もアフガニスタンにとどまっていたとすれば、タリバンとの戦争に発展しただろうと強調した。
軍当局の回答を受け、一部の共和党員は「バイデン大統領は国民に嘘をついた」と非難した。「バイデンは駐留を勧めた将軍はいなかったと言いましたが、ミリー将軍と国防長官は兵士をとどめるようバイデンに助言していました...」
バイデン大統領は以前の演説で「アフガニスタンのテロ組織は根絶された」と述べたが、ミリー将軍とオースティン国防長官はタリバンをテロ組織と認めたうえで、アルカイダやISISはまだ存在し、アメリカを脅かす可能性があると警告した。
アメリカは2001年の同時多発テロ後にアフガニスタンに侵攻した。期間中に費やされた国費は約1兆ドル(110兆円)と推定されている。
米軍はアフガニスタン政府の崩壊から8月31日までの間、駐留兵約4,000人と難民約50,000人を避難させた。