◎主要メディアによると、出口調査の結果、中道左派の労働党と同盟を組む社会党および中央党は、169議席中100議席を獲得する見通しだという。
2021年9月13日/ノルウェー、首都オスロにある労働党の事務所、ヨーナス・ガール・ストーレ党首(右から2番目)は出口調査の速報に歓喜した(ジャバド・パルサ/NTB/AP通信)

9月13日、ノルウェーの議会選挙の出口調査結果が公表され、中道右派の与党保守党は大きく議席を落とし、中道左派グループが過半数を獲得する見通しとなった。

主要メディアによると、出口調査の結果、中道左派の労働党と同盟を組む社会党および中央党は、169議席中100議席を獲得する見通しだという。

労働党のヨーナス・ガール・スレート党首は13日、「私たちは国民に新しい政権と新しいコースを提供します」と述べ、数日中に「変化を望む」当事者を会談に招待すると表明した。

労働党は、風力発電、天然ガスを使って代替燃料を生産するブルー水素、二酸化炭素を海中で処理することで炭素を回収する気候変動対策などを公約の柱に掲げ、新しいグリーン産業に資本を投入すると約束した。

一方、2013年の議会選挙で労働党から政権を奪取した保守党のエルナ・ソルベルグ首相は声明で、「保守派の連立政権は終了した」と敗北を認めた。「保守党はヨーナス・ガール・スレート議員を祝福します...」

<2013年のノルウェー議会選挙>
・労働党 55議席
・保守党 48議席(連立)
・進歩党 29議席(連立)
・キリスト教民主 10議席(連立)
・中央党 10議席
・自由党 9議席(連立)
・左翼党 7議席
・緑の党 1議席

ソルベルグ首相は2013年の議会選挙で連立政権の樹立に成功し、2017年の選挙でも勝利を収めた。保守党は経済成長を最優先に掲げる政策で多くの支持を集め、ソルベルグ首相はイギリスの故マーガレット・サッチャー首相の「アイアンレディ(鉄の女)」を彷彿とさせる「アイアンエルナ」と呼ばれるようになった。

ソルベルグ首相は8年間の任期の中で石油探査を推進し、減税に取り組み、行政をより効率的にすることを目指してきた。

一方、労働党と連立を組む予定の中央党は有効票の14%近くを獲得する見通しで、近年最大の成果を上げた。中央党の議席数は右派の進歩党を上回ると予想されている。

左派の選挙キャンペーンは、ノルウェーを世界で最も裕福な国のひとつにした北海の石油とガスに焦点を当てており、石油業界は今後の動向に懸念を表明している。石油産業はノルウェーの総輸出の40%以上を占め、国内の労働者の5%以上を直接雇用している。

しかし、ノルウェーは世界で最も気候対策に敏感な国のひとつでもあり、現在の国内の新車販売はほとんど電気自動車になった。

労働党のスレート党首は2005年から2013年まで当時のイェンス・ストルテンベルグ首相の下で外相を務め、その後、ストルテンベルグ氏のNATO事務総長就任に合わせて党首を引き継いだ。

ノルウェーの選挙委員会によると、国内の有権者数は約390万人で、そのうち160万人以上が事前投票を行ったという。投票率は76.3%だった。

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