◎首都カブールの北に位置するパンジシール州はアフガニスタンで最も小さい州のひとつであり、地域を取りまとめるレジスタンスは1980年代のソビエト侵攻で勝利を収め、1990年代後半にはタリバンも打ち負かした。
2021年9月2日/アフガニスタン、パンジシール州のレジスタンス兵(Getty Images/AFP通信)

アフガニスタンの現地メディアによると、タリバンの支配下に置かれていない唯一の州であるパンジシール州のレジスタンスとタリバン兵の戦闘が激化したという。

数千人の戦闘員で構成されるレジスタンスの指導者であるアムルラ・アレー氏はロイター通信に、「タリバンは勝利を主張したが、大きな間違い」と述べた。

タリバンは9月4日にパンジシール州を占領したと主張したため、首都カブールの戦闘員たちは勝利を祝って空に銃を発射し、複数の死傷者が出たと伝えられている。

首都カブールの北に位置するパンジシール州はアフガニスタンで最も小さい州のひとつであり、地域を取りまとめるレジスタンスは1980年代のソビエト侵攻で勝利を収め、1990年代後半にはタリバンも打ち負かした。

レジスタンスの戦闘員は主にアフガン軍の元兵士と地元の民兵で構成されており、地域の指導者アフマド・マスードが率いている。

アムルッラー・サレー元第一副大統領は主要メディアに宛てたメッセージの中で、「双方に死傷者が出ている」と語った。サレー元第一副大統領は国内にとどまっていると伝えられているが、正確な所在地は明らかにされていない。

サレー元第一副大統領は、「私たちが困難な状況にいることは間違いない」と述べた。「パンジシール州はタリバンの攻撃を受けています。しかし、私たちの軍隊は降伏しないでしょう...」

しかし、レジスタンスの現地リーダーと思われる指揮官たちは、一部の地域が陥落したことを認めた。親タリバンのソーシャルメディアアカウントには、レジスタンスのものと思われる戦車や装備を奪取したと示唆する写真が複数共有されている。

タリバンは数日中に新政府の発足を発表すると伝えられており、西側諸国は対応に追われている。

現地メディアによると、パキスタンの軍統合情報局を束ねるファイズ・ハミード局長はカブールでタリバン当局者と会談中だという。情報局の当局者はロイター通信の取材に対し、「タリバンはアフガン軍を公式に再編成できる」と語った。

アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官はアフガン旧政府とタリバンの交渉を仲介したカタールを訪問中。カタールとトルコは、首都カブールのハミド・カルザイ国際空港の運用再開に向けた交渉をタリバンと進めていると伝えられている。ブリンケン国務長官がタリバンの高官と会談するかどうかは明らかにされていない。

アメリカ、EU、イギリスは3日、タリバンとの取引には応じるが、新政府は承認しないと述べた。

一方、タリバンの戦闘員たちは首都カブールで4日に開催された女性の権利を訴える抗議デモの参加者を威嚇し、あっという間に解散させた。

現地メディアによると、タリバンの戦闘員たちはデモの参加者に何を言いたいのか尋ねたという。大学生のスダバ・カビリ氏はAP通信の取材に対し、「戦闘員にイスラム教の預言者は女性に権利を与えたと言いました」と語った。

タリバンは女性の権利を保障すると約束しているが、国内にとどまった女性の大多数がこの約束に懐疑的な目を向けている。

デモ隊が大統領官邸近くに到着すると、周辺を見回っていたタリバンの戦闘員12人が駆け寄り、その後空に向けて銃を発射したため、女性たちは一斉に逃亡した。死傷者は確認されていない。

2021年9月4日/アフガニスタン、首都カブール、女性の権利を訴える団体の集会(キャシー・ギャノン/AP通信)
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