◎政府は声明の中で、野党公民党のチェン・チュンタイ議員は基本法を遵守し、香港に忠誠を誓うという基本的要件を満たさなかったため、資格を失ったと述べた。
2021年8月26日/香港、「愛国心が足りない」という理由で議会から追放されたチェン・チュンタイ議員(Vincent Yu/AP通信)

8月26日、香港議会は中国共産党への忠誠心が不足している野党議員を追放したと発表した。

政府は声明の中で、野党公民党のチェン・チュンタイ議員は基本法を遵守し、香港に忠誠を誓うという基本的要件を満たさなかったため、資格を失ったと述べた。基本法は香港独自の憲法である。

チュンタイ議員は、昨年民主化を支持する野党議員が一斉に辞任を表明した後も議会に残った2人の野党議員のうちの1人だった。

議会の首席秘書官ジョン・リー氏は記者会見で、「チュンタイ議員は国会議員に必要な要件を遵守しなかった」と語った。「国家安全保障委員会はチュンタイ議員の愛国心が足りないと判断しました...」

国家安全保障委員会は民主化勢力を打ち負かす厳格な国家安全維持法の施行に合わせて設立された組織である。

リー氏によると、同委員会はチュンタイ議員の否定的な行動に懸念を表明したが、チュンタイ議員は追放につながった特定の事件の詳細を説明せず、反抗的な態度で応えたという。

リー氏は記者団に対し、「私たちはチュンタイ議員の行為、声明、記事などを検討し、議員にふさわしいかどうかを検討しました」と述べた。

チュンタイ議員は今年初めに施行された直接選出する議員の割合を減らす選挙制度改革法を含む親中国共産党の法案に強く反対していた。

愛国心不足で追放されたチュンタイ議員は記者会見の中で、「国家安全保障委員会の決定に異議を唱える民主的な法的手続きはない」と述べた。「上訴したり何かしらの行動を起こしても意味はないと思います。委員会の決定は覆りません...」

チュンタイ議員は2017年、議会審議中に中国の国旗を乱雑に扱ったとして冒とく罪で起訴され、5,000香港ドル(約70,000円)の罰金を科された。

香港の共産党勢力は2019年の数か月にわたる反政府抗議後、反対意見を厳しく取り締まり、コロナウイルスの感染拡大を抑えるという理由で多数の民主活動家を逮捕し、抗議デモを禁止した。

2020年11月11日/香港、立法会総合大聖堂、辞職を表明した野党議員(Getty Images/AFP通信)
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