◎河南省鄭州(ていしゅう)の7月20日の24時間降水量は624mmに達し、16時から17時の1時間雨量は200mmを超えた。
2021年7月25日/中国、河南省新郷市の市街地(Dake Kang/AP通信)

8月2日、中国の地方当局は先月20日の記録的な大雨による洪水の死亡者が300人を超えたと発表した。

中部河南省の当局者は記者団に対し、これまでに302人の死亡を確認し、50人の行方が分かっていないと述べた。死亡した302人のうち292人は同省の鄭州(ていしゅう)で確認され、残り10人は周辺の3都市の住民だった。

千年に一度の大雨は都市の排水能力を圧倒し、通りは川になり、多くの地下鉄路線が深刻な被害を受けた。鄭州の20日の24時間降水量は624mmに達し、16時から17時の1時間雨量は200mmを超えた。地元メディアによると、子供たちは学校で救助を待ち、交通手段を奪われた数万人が職場で一夜を過ごしたという。

翌日、河南省鄭州に大雨をもたらした低気圧は同省の鶴壁(かくへき)、安陽(あんよう)、新郷(しんごう)でも猛威を振るった。

地元メディアによると、新郷では少なくとも7人が死亡し、3人の行方が分かっていないという。新郷の当局者は声明で、21日の24時間降水量は統計開始以来最高の250mmに達したと述べた。

政府当局によると、今回の大雨で約25万ヘクタール(2,500㎢:佐賀県とほぼ同じ)の農地が破壊され、経済損失は900億元(1兆5,000億円)を超える見込みだという。洪水の影響で約150万人が避難を余儀なくされた。

中国の国営メディアは、「現地入りした中央政府のチームは被災状況を調査したうえで教訓をまとめ、洪水を察知し避難指示を出さなかった地方当局の責任者は職務怠慢の罪で処分される予定」と報じた。

2021年7月20日/中国、中央部河南省の鄭州の交差点(Chinatopix/AP通信)
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