◎司法省は30日、内国歳入庁(IRS)にドナルド・トランプ前大統領の納税申告書をハウスウェイズアンドミーンズ委員会に提出するよう命じた。
米主要メディアによると、司法省は内国歳入庁(IRS)にドナルド・トランプ前大統領の納税申告書をハウスウェイズアンドミーンズ委員会に提出するよう命じ、同申告書に関する一連の対立に終止符を打ったという。
AP通信は、「司法省はトランプ前大統領の税務情報を要求するだけの理由があると述べ、連邦法に基づき、IRSに納税申告書をハウスウェイズアンドミーンズ委員会に提供するよう命じた」と報じた。
司法省は2019年に「ハウスウェイズアンドミーンズ委員会の記録提出要求は不誠実」と裁定したが、今回この裁定を覆し、IRSに提出を命じた。
アメリカ合衆国の大統領は1976年以来、必ず納税申告書を公開してきたが、トランプ前大統領はこの慣習(法律ではない)を却下していた。
議会の共和党員は司法省の決定を「政治的動機」と呼び、厳しく非難した。
トランプ時代のスティーブン・ムニューシン財務長官は当時、下院民主党は党派的な理由で納税申告書の開示を求めていると結論づけ、開示を拒否していた。
ハウスウェイズアンドミーンズ委員会はムニューシン財務長官の決定に強く反発し、IRSを訴えた。同委員会は当時、「トランプ大統領が税法を遵守しているかどうかを調査するためには記録が必要である」と述べた。
一方、当時のトランプ大統領は「IRSの監査を受けており、記録を開示することはできない」と繰り返し主張したが、IRSは監査が情報の開示に影響を与えることはないと述べていた。
IRSがハウスウェイズアンドミーンズ委員会に納税申告書を提出する時期は明らかにされていない。ABCニュースによると、提出命令は期限の72時間前に発行しなければならず、トランプ前大統領は上訴する機会を与えられる可能性があるという。
同委員会に納税申告書が提供された場合、委員長を務める民主党のリチャード・ニール下院議員は委員会に申告書を精査するよう指示できるが、申告書を公にすることは重罪であり、許可されない。しかし、同委員会の規則によると、「委員会は記録を公にするか否かを投票で決めることができる」という。
民主党のナンシー・ペロシ下院議長は司法省の決定を「法の支配の勝利」と呼び、称賛した。「トランプ前大統領の納税申告書へのアクセスは国家安全保障の問題です。アメリカ国民は彼が犯した利益優先の取引と民主主義が弱体化していた事実を知る権利があります」
マンハッタン地方検事局のサイラス・ヴァンスJr.検事長は進行中の犯罪捜査の一環として、トランプ前大統領の個人税および事業税の記録のコピーをすでに入手している。トランプ前大統領は問題を最高裁判所に持ち込んだが、判事はトランプ弁護士の「前大統領は幅広い免責を持っている」という主張を拒否した。