◎ドナルド・トランプ前大統領は27日、「私たちは後戻りしない」と誓った。
7月28日、米共和党で最も著名な新星のひとりであるフロリダ州のロン・デサンティス州知事はユタ州の共和党保守集会の演説で疾病予防管理センター(CDC)のマスクガイドライン見直しとバイデン政権の勧告を嘲笑した。
CDCは27日、フロリダ州を含む一部地域でコロナウイルスの感染拡大が続いていることを受け、ワクチン接種の有無にかかわらず屋内ではマスクを着用するよう推奨し、ホワイトハウスもそれに続いた。
デサンティス州知事はマスクをつけずに会場入りする共和党員や関係者に、「CDCのガイドラインを知らないのですか?」と笑いながら冗談を言った。
テキサス州やサウスダコタ州を含む赤い州の指導者たちもCDCのガイドラインに敵意と反抗で応えた。
共和党のリーダー、ドナルド・トランプ前大統領は27日、「私たちは後戻りしない」と誓った。「私たちは戻りません。私たちは子供を覆い隠しません。なぜ民主党は科学を信用しないのですか?」
AP通信によると、少なくとも共和党主導の18州の議会が、ワクチンパスポートの発行禁止や公的機関にワクチン接種の証明を要求することを禁止するよう動いているという。一部の地方自治体は生徒や教師にマスクの着用や予防接種を義務付けることを禁止した。
ミズーリ州のマイク・パーソン州知事はCDCのガイドラインを「失望と懸念」と呼んだうえで、「ワクチンの有効性は証明されており、CDCの対応は矛盾している」と述べた。
マスクとワクチンの義務化を禁止したアリゾナ州のダグ・デューシー州知事は、「CDCの決定はワクチンの信頼性を損なう愚かな自傷行為であり、ワクチンの接種率を上げるためにたゆまぬ努力を続けてきた公衆衛生当局者により多くの課題を提供するだろう」と非難した。
アメリカの症例数は再び増加に転じ、27日の新規症例は久しぶりに10万件を超えた。CDCは先日、現在の新規症例の97%以上、死亡者の99%以上がワクチン未接種者であることを明らかにした。
デサンティス州知事は28日の演説で、子供にマスクを着用するよう呼びかけたCDCの声明を却下した。「CDCは幼稚園の児童、6歳の子供にマスクをつけて1日机に座っていろと命じています。これはとても不健康です」
マスクの着用が幼児の健康に害を与えるという証拠は見つかっていないが、医療専門家は口元を覆うと熱中症のリスクが高まるため、幼児にマスクを着用させる際は大人がしっかり幼児の体調を確認する必要があると指摘している。
サウスダコタ州のクリスティ・ノーム州知事は、「ガイドラインを変更しても、国民の行動を変えることはできない」と述べた。
DC議会でも混乱が広がっている。議会の主治医は昨日、「下院議会では常にマスクを着用しなければならない」と命じるメモを関係当局に提出し、これに一部の共和党員が激しく反発した。
共和党のケビン・マッカーシー下院少数党首の反発ツイート後、民主党のナンシー・ペロシ下院議長はマッカーシー氏を「バカ」と呼び、両党の罵り合いは本格的な乱闘に発展した。
民主党のマキシン・ウォーターズ下院議員は共和党のバージェス・オーウェンズ下院議員を口頭で襲撃し、乱闘は対立を引き起こし、共和党員はマスクを放り投げた。
テキサス州選出のチップ・ロイ下院議員は、「アメリカ人はウンザリしている」と憤慨した。「民主党にはウンザリです。私たちはウンザリしています。私たちは生き返りたいと思っています。アメリカ人はビジネスを再開したいのです。アメリカ人は子供にマスクを強制したくありません」
CDCは今年4月、ワクチン接種が予想以上の勢いで進んだため、接種を終えた人は大群衆の中にいない限り、屋外ではマスクを外すことができるとガイドラインを見直した。
1か月後、CDCはさらにガイドラインを緩和し、ワクチン接種を終えた人は屋外とほとんどの屋内環境でマスクを外すことができるようになった。さらに、接種を終えた人は学校でのマスク着用も不要になった。
ホワイトハウスの主席副報道官であるカリーヌ・ジーン・ピエール氏は28日、CDCの後退を擁護した「CDCはコロナウイルスの進化に適応しなければなりません。残念ながら、多くのアメリカ人がワクチン接種をためらっており、症例数と死亡者数の急増につながりました。新しいガイドラインは国民の命を救うためのものであり、ホワイトハウスはCDCと連携してマスク着用とワクチン接種を推奨し続けていきます」