◎現在、最大都市シドニーとノーザンテリトリー準州ダーウィンは封鎖され、4州の政府が新たな制限を課している。
オーストラリアの現地メディアによる、イギリスで初めて確認されたデルタ株はニューサウスウェールズ州(NSW)シドニーから他の地域に広がりつつあるという。
保健当局はノーザンテリトリー準州、クイーンズランド州、西オーストラリア州で新たに感染者が確認されたと述べた。同国の様々な地域で同時にコロナ患者が確認されたのは数カ月ぶり。
クイーンズランド州と西オーストラリア州の患者はデルタ株に感染していたが、ノーザンテリトリー準州の患者は従来株だったと伝えられている。
連邦政府と州政府は28日に緊急協議を行い、今後の方針を発表する予定。
ジョシュ・フライデンバーグ財務相は27日、「各州政府および自治体が発出した封鎖制限はさらなる感染拡大を抑えるための措置であり、オーストラリアは重要な時期を迎えている」と述べた。「私たちはより感染力の強いデルタ株との新たな戦いに入ったと思われます...」
現在、最大都市シドニーとノーザンテリトリー準州ダーウィンは封鎖され、4州の政府が新たな制限を課している。
シドニー当局は先日、地域の居住者約500万人に外出禁止令を課した。しかし、シドニー以外でも感染者が確認されたことを受け、NSW当局は27日にブルー・マウンテンズ、セントラルコースト、ウロンゴンを含む地域全体に外出禁止令を拡大すると発表した。
NSWのグラディス・ベレジクリアン州首相は27日の声明で、「地域の感染状況は今後数日でさらに悪化すると予想している」と述べた。
ヴァージン・オーストラリア航空は27日、乗組員がメルボルンで陽性と診断されたことを受け、最近運行した5便の乗客と乗員に連絡を入れたと発表した。
シドニーの感染拡大は州間封鎖だけでなく国境閉鎖に発展した。
ニュージーランド政府はシドニーの感染拡大を受け、少なくとも29日までオーストラリアの旅行者に対する検疫免除を停止すると発表した。
両国間の検疫なし旅行は今年4月に解禁された。これまで特定の地域に対して免除を停止したことはあったが、オーストラリア全体が対象になったのは初めて。
オーストラリアは厳格な国境管理と検疫、迅速な検査と追跡システムでコロナウイルスの抑え込みに成功し、感染者と死亡者は主要先進国に比べるとはるかに少ない。累計感染者数は約30,000件、累計死亡者は約900人、2021年に死亡者は確認されていない。
ニューサウスウェールズ州のブラッド・ハザード保健相は、「インドで最初に確認されたデルタ株の亜種はさらに手ごわい」と述べた。「ウイルスは防御網をくぐり抜ける可能性があります。私たちは水際対策を強化し、デルタ亜種を含む変異種の拡大を阻止しなければなりません」
シドニーのデルタ株クラスターはボンディ・ビーチで最初に確認され、その後街全体に広がった。
連邦政府の厳しい水際対策は世界から称賛されたが、ワクチン展開は主要先進国と比べると遅れている。これまでに少なくとも1回ワクチンを接種した人は人口の約24%、完全に接種を終えた成人は成人人口の約5%にとどまっている。
<接種数/少なくとも1回接種した人の割合(全人口)/6月28日時点>
アメリカ:3億2,200万回/53%
イギリス:7,600万回/65%
ドイツ:7,100万回/53%
イタリア:4,900万回/55%
フランス:5,100万回/49%
カナダ:3,500万回/68%
日本:3,700万回/20%
オーストラリア:700万回/24%
中国:11億7,000万回/43~46%(推定)
インド:3億1,500万回/19%
イスラエル:1,100万回/64%
世界:29億2,000万回/23%
アジア:17億8,000万回/23%
北米:4億2,300万回/42%
ヨーロッパ:4億8,500万回/40%
EU:3億4,700万回/49%
南米:1億7,100万回/28%
アフリカ大陸:4,900万回/3%