◎治安当局は声明で、アップルデイリーが発行した30以上の記事が取り締まりの対象になったと述べた。
6月17日、香港の治安当局は昨年施行された国家安全維持法に基づき、独立系メディアのアップルデイリー本社を家宅捜索し、外国勢力と共謀した罪でジャーナリストと幹部を逮捕した。
治安当局は声明で、アップルデイリーが発行した30以上の記事が取り締まりの対象になったと述べた。「同社は中国と香港に制裁を科そうとする外国勢力と結託していました...」
また当局は、アップルデイリーに関連する3社の資産1,800万香港ドル(約2.5億円)を凍結したことも合わせて発表した。
アップルデイリー(蘋果日報)は独裁的な中国共産党と習近平 国家主席の犬に成り下がった香港政府を厳しく非難し、民主活動家から絶大な支持を集めてきた。
地元メディアによると、アップルデイリー本社には警察官250人以上が押し寄せたという。香港政府は今回の一斉捜査について、国家安全維持法違反の証拠を押収するためと述べた。
逮捕されたのはアップルデイリーのライアン・ロー編集長とCEO、ネクストデジタル社のCEO、ジャーナリスト2人と伝えられている。
香港のジョン・リー安全保障大臣は17日の記者会見で、「警察はアップルデイリーおよびその関連企業の犯罪資料を押収し、扇動罪や犯罪者に資金を提供したかどうかを捜査する」と述べた。
リー安全保障大臣によると、逮捕した者たちは「通常のジャナーリズム」ではなく、犯罪行為に加担していたという。「香港のジャーナリストは国家安全維持法を含む法律を遵守しなければなりません。今回逮捕した容疑者と共謀することは許されません。彼らを支援した者は大きな代償を払うでしょう」
リー安全保障大臣は通常のジャーナリズムという言葉を繰り返した。「政府は通常のジャーナリズムを歓迎します。しかし、暴力を扇動したり、中国や香港政府を転覆させようとする試みはいかなる理由があろうと許可されず、関係者は必ず逮捕されます」
中国の全国人民代表大会(NPC)は昨年、国家安全維持法を前回一致で可決し、習近平 国家主席の机に送った。その後、法律は2020年6月30日現地時間23時に施行され、香港国内で以下の抽象的な行為を働いた者は治安当局の取り締まりの対象になった。
・当局の許可なく国を離れる
・政府の権力を弱体化させる
・暴力、脅迫、テロ
・犯罪者との共謀
アメリカはこの法律を厳しく非難し、林鄭 月娥(りんていげつが)行政長官を含む中国の当局者に制裁を科した。
香港証券取引所によると、17日の早い時間にネクストデジタル社の株式取引が停止されたという。停止の理由は明らかにされていない。