◎トランプ前大統領は公式ブログ「ドナルドの机（From the desk of Donald J.Trump）」の中で「民主党の罠を承認するべきではない」と主張し、反対に投票するよう促した。
5月19日、米下院は1月6日に発生したDC議会議事堂襲撃事件を調査する独立委員会の設立を承認した。
現地メディアによると、共和党員35人が独立委員会の設立に賛成したという。法案は「賛成252ー反対175」で可決された。
トランプ前大統領は公式ブログ「ドナルドの机（From the desk of Donald J.Trump）」の中で「民主党の罠を承認するべきではない」と主張し、反対に投票するよう促した。「下院と上院の共和党員は、1月6日の調査委員会を承認すべきではありません。それはとても不公平です...1月6日の議論は今すぐやめるべきです。タフで賢い共和党員は極左の陰謀を阻止しなければなりません」
現地メディアによると、上院共和党は法案を全力で阻止する予定だという。共和党のミッチ・マコーネル上院少数党首は法案を「ひねくれている」と非難し、絶対に通過させないと誓った。
共和党は議事妨害（フィリバスター）で法案をはじき返すことができる。民主党は議事妨害をクリアするために共和党員10人を懐柔しなければならないが、現地メディアは通過は困難と報じた。
一方、民主党はジョー・バイデン大統領の勝利を覆そうとした前代未聞の悪質な犯行の全てを調査することが重要と主張した。ナンシー・ペロシ下院議長によると、法案は2001年の同時多発テロの調査をモデルにしており、独立した10人の委員からなる委員会を設立し、年末までに結論を出したうえで、新たなテロの防止に向けた勧告を行うという。
ほとんどの共和党員が建国以来最悪と呼ばれた議会議事堂への暴力を軽視し、一部はいまだにトランプ前大統領の勝利を主張している。なお、ほとんどの共和党員が委員会の設立に反対したが、具体的な反対意見を表明した者はごくわずかだった。
委員会を支持した一握りの共和党員は反対に投じた同僚を厳しく非難した。
下院国土安全保障委員会のジョン・カトコ下院議員は調査の重要性を強調した。「国民と議会議事堂警察は真実を求めています。議会は同じような事件を二度と発生させないために行動しなければなりません」
フレッド・アプトン下院議員は、1月6日の悪夢の真実を追求しなければならないと述べた。「私は議会で叫び声を聞き、フラッシュバンが炸裂する瞬間を目撃し、ガスの匂いを嗅ぎました」
一部の共和党員はトランプ前大統領を貶めるためだけに委員会を設立しようとしていると主張し、民主党員を怒らせた。暴動では警察官1人を含む5人が死亡し、2人の警察官が事件から数日後、自ら命を絶った。
民主党のティム・ライアン下院議員は、「暴徒はヘラヘラ笑いながら鉄パイプで議会警察を残酷に殴打し、唾を吐きかけました」と吠えた。「この法案は米議会として承認しなければなりません。共和党も民主党も超党派もありません。反対に投じた共和党員は国民と警察に背を向けました」
トランプ前大統領は引退したにもかかわらず、共和党内で圧倒的な存在感を放ち続けている。下院共和党は先週、トランプ前大統領を非難し続けてきたリズ・チェイニー下院議員を指導部のポストから引きずりおろし、頑固な親トランプ派のエリーゼ・ステファニク下院議員をプッシュした。
チェイニー下院議員はABCニュースのインタビューの中で、「独立委員会は暴動の真実を知っているケビン・マッカーシー（下院少数党首）を召喚できる」と提案した。
ナンシー・ペロシ下院議長は19日、委員会の設立に反対したマッカーシー下院少数党首を「臆病者」と呼んだ。「マッカーシーはリーダーに値しません...」
民主党のチャック・シューマ―上院院内総務は、「共和党はトランプ前大統領の圧力に屈するべきではない」と述べ、法案を通過させると誓った。「共和党は委員会を妨害し、トランプ前大統領の根拠のない主張に酔っています...」
現時点で上院共和党のミット・ロムニー議員、ビル・カシディー議員、スーザン・コリンズ議員が委員会の設立に賛成しているが、賛成票を投じるかどうかは明らかにしていない。
＜米上院について＞
・野党は議事妨害で投票を阻止できる権限を持っている。
・与党は議事妨害を実施させないために、野党と交渉を重ねて法案をよりよいものにしなければならない。
・議事妨害を止めるためには、議事妨害停止決議で賛成を60票集めなければならない。現在の上院勢力は「民50ー共50」
・予算法案は議事妨害の影響を受けない特別な予算プロセスを使用できる。
