◎ファイザー社は3月下旬に12歳~15歳の臨床試験結果を公表していた。それによると、試験に参加した児童はコロナウイルスから100%保護されたという。成人の保護率は95%。
現地メディアによると、米食品医薬品局(FDA)は12歳~15歳へのファイザーワクチンの接種を許可したという。
FDAのジャネット・ウッドコック委員代理は5月10日の声明で、「この承認はコロナウイルスとの戦いを終わらせるための重要な一歩」と述べた。「若い世代への接種を進めることが重要です。この承認はアメリカを正常に戻す重要な一歩になるでしょう...」
ウッドコック博士によると、12歳~15歳への接種は5月12日に開催される疾病予防管理センター(CDC)の予防接種実施諮問委員会(ACIP)の審査を通過次第開始できる予定だという。
ファイザー社は3月下旬に12歳~15歳の臨床試験結果を公表していた。それによると、試験に参加した児童はコロナウイルスから100%保護されたという。成人の保護率は95%。
アメリカのコロナワクチンの接種回数は5月11日時点で2億6,000万回に達したが、需要はピーク時の約半分に減少している。
ウッドコック博士は、FDAはファイザーワクチンを厳密かつ徹底的に審査していると強調した。「ファイザーワクチンは12歳~15歳の児童を保護します...FDAは利用可能な全てのデータを徹底的に審査し、結果も公表しています」
これでアメリカ国内におけるファイザーワクチンの緊急使用対象者は近日中に12歳以上になることが確実になった。
<ワクチン接種数/少なくとも1回接種した人の割合/5月11日時点>
アメリカ:2億6,000万回/45%
中国:3億2,400万回/13%
インド:1億6,800万回/10%
イギリス:5,300万回/52%
ブラジル:4,700万回/15%
ドイツ:3,400万回/32%
トルコ:2,500万回/17%
イスラエル:1,100万回/63%
日本:440万回/3%
世界:13億回/8%
アジア:6億2,800万回/5%
北米:3億300万回/31%
ヨーロッパ:2億5,800万回/24%
EU:1億7,200万回/28%
南米:8,400万回/13%
アフリカ大陸:2,000万回/1%
ファイザー社によると、臨床試験に参加した12歳〜15歳の児童2,260人を2グループに分け、ファイザーワクチン2回とプラセボ(偽薬:効き目のある成分が入っていない薬)を接種し、経過を観察したという。結果、プラセボを接種したグループではコロナ感染が18件報告されたが、ファイザーグループの感染者はゼロだった。
FDAの承認は接種を正式に許可するものではない。ABCニュースによると、CDCの諮問委員会は速やかに接種を許可すると予想されており、12歳〜15歳への接種は今週末までに始まる可能性が高いという。
ジョー・バイデン大統領は先週、7月4日の独立記念日までに少なくとも1回ワクチンを接種した成人の割合を70%まで引き上げる計画を発表した。現在の接種率は約57%。
バイデン大統領は演説の中で、コロナワクチンの効果に疑問を持っている市民への接種が最大の課題と強調した。「集団免疫を確立するためには、より多くの人にワクチンを提供しなければなりません。私たちは3つのカテゴリに当てはまる人に焦点を当てています...」
<政権が注目しているカテゴリ>
・コロナワクチンを信用していない人。
・接種を急いでいない人およびワクチンの取得に苦労している人。
・12歳~15歳の米市民。
マスクの着用ルールは全国的に緩和されており、ほとんどの州は経済活動を部分的もしくは完全に再開した。しかし、ワクチンの需要は3週間前に比べると50%以下に低下しており、ウィスコンシン州、アイオワ州、コネチカット州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、ワシントン州などはワクチンの要求数を減らしたと伝えられている。
米国小児科学会(AAP)によると、5月初めの時点で国内の児童約385万人がコロナウイルスに感染したという。そのうち症状を示し入院した児童(調査対象:24州)は0.1~1.9%だった。
CDCによると、健康な児童がコロナ感染で合併症を発症するリスクはインフルエンザより低いという。
モデルナ社とジョンソン・エンド・ジョンソン社も12歳~18歳の臨床試験を行っており、モデルナはまもなくデータを公開すると伝えられている。なお、ファイザー社とモデルナ社は生後6か月~11歳の臨床試験をすでに始めている。
ファイザーワクチンについて
・95%の確率で接種者を保護する。また、65歳以上の患者の保護率も94%を示した。
・2021年末までに20億回分の供給を目指している。
・2回接種する必要がある。
・輸送時の温度管理(ー75℃前後)を徹底する必要がある。
・16歳の以上の人々に十分な安全を保証できる。
・1回の投与で強力な保護を得られると米食品医薬品局(FDA)は判断した。ただし、最高の保護を得るためには2回接種すべきと推奨。
・男女、異なる人種や民族に等しく効果を発揮する。
種類 | 保護率 接種回数 | 試験数 (公表数) | 保管条件 期間 | 費用 |
ファイザー | 95% 2回 | 43,538人 | -75℃ 解凍後5日 | 20ドル |
モデルナ | 94.5% 2回 | 30,000人 | -20℃ 6カ月 | 33ドル |
オックスフォード | 62-90% 2回 | 24,000人 | 冷蔵庫 ー | 4ドル |
スプトーニクV | 91.6% 2回 | 19,866人 | 冷蔵庫 ー | 10ドル |
ノババックス | 89.3% 2回 | 15,000人 | 冷蔵庫 ー | ー |
J&J | 重85% 中66% 1回 | 44,000人 | 冷蔵庫 3か月 | ー |