◎バイデン大統領は先月末、国内のインフラを増強する約2.3兆ドル(250兆円)の「アメリカン・ジョブズ・プラン」の費用(負債)の大半を法人税の引き上げ(21%→28%)などによって得られる税収で賄うと誓約した。
4月6日、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOはジョー・バイデン大統領が先日発表したインフラ計画に伴う法人税の引き上げを支持すると述べた。
バイデン大統領は先月末、国内のインフラストラクチャーを増強する約2.3兆ドル(250兆円)の「アメリカン・ジョブズ・プラン」を発表し、その費用(負債)の大半を法人税の引き上げ(21%→28%)などによって得られる税収で賄うと誓約した。
アメリカの経済界は道路、港、水道管、橋、5Gを含むインターネット網などの増強に賛成したが、法人税の引き上げには強く反対している。
バイデン大統領は3月31日の演説の中で、「アマゾンを含むフォーチュン500は所得税を1セントも支払っていない」と述べ、大企業の節税対策を厳しく非難した。
ベゾスCEOは声明の中で、「アマゾンはバイデン大統領のインフラ計画を支持し、民主党と共和党のバランスの取れた解決策の発表を楽しみにしている」と述べた。
他の多くのCEOや企業は法人税の引き上げは経済成長を損なうと指摘し、負債は道路の通行料やその他の使用料などで回収すべきと信じている。
ベゾスCEOは「法人税の引き上げは支持する」と述べたが、その他の提案については言及しなかった。
バイデン大統領は海外に拠点を置く企業、海外のペーパーカンパニーを積極的に利用している悪質な企業などからより多くの税金を搾り取りたいと考えており、21%のグローバル最低税を課すと誓約している。
アナリストは、「節税対策に関連する規則の変更は、企業の反対と経済成長の鈍化を同時に引き起こす可能性があり、共和党は激しく抵抗するだろう」と述べた。
ITEP(Institute on Taxation and Economic Policy)の報告によると、アマゾンは2020年に9.4%の実効連邦所得税を支払い、約23億ドル(2,500億円)の節税に成功したという。
極めて左寄りな民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は、「大企業は長年、税制の抜け穴を悪用してきました」とツイートした。「私たちはこれらの大企業に対処する新たな制度を話し合っています」
アマゾンは昨年、3,500億ドル(約38兆円)を開発に投資したと報告した。なお、連邦所得税は17億ドル(約1,900億円)と報告している。
アマゾンなどの大企業やトランプ前大統領は、「研究開発などの投資」にインセンティブを与える規則を利用し、所得税を低く抑えている。
Giant corporations like Amazon report huge profits to their shareholders – but they exploit loopholes and tax havens to pay close to nothing in taxes. That’s just not right – and it’s why I’ll be introducing a bill to make the most profitable companies pay a fair share. pic.twitter.com/vPrmGbjUKW
— Elizabeth Warren (@SenWarren) March 25, 2021
アメリカン・ジョブズ・プランの要点
<高速道路とその他の道路の改修費用:1,150億ドル(約12.8兆円)>
ホワイトハウスによると、道路約32,000km、重要な橋、その他の約10,000の小さな橋を改修する予定だという。
<公共交通機関の改修:850億ドル(約9.4兆円)>
<貨物鉄道の改修:800億ドル(約8.9兆円)>
北東部の貨物路線の改修がメインになると伝えられている。
<電気自動車関連のインフラ整備:1,740億ドル(約19兆円)>
電気自動車用の充電ステーションを全国に50万カ所建設する。
<空港の改修:250億ドル(約2.8兆円)>
<河川と港の改修:170億ドル(約1.9兆円)>
<高速道路建設の影響を受けたコミュニティに対する補償:200億ドル(約2.2兆円)>
<自然災害対策強化:500億ドル(約5.5兆円)>
<鉛水道管の交換と下水道システムの改修:1,110億ドル(約12兆円)>
<5Gを含む高速ブロードバンドの構築:1,000億ドル(約11兆円)>
<全国の電力網の整備とクリーンエネルギーへの移行:1,000億ドル(約11兆円)>
<低所得者向けの手頃な価格の住宅約200万棟の建設と改修:2,130億ドル(約24兆円)>
<学校の建設と改修:1,000億ドル(約11兆円)>
<退役軍人病院と診療所の整備:180億ドル(約2兆円)>
<連邦政府の施設の改修:100億ドル(約1.1兆円)>
<介護サービスの拡充:4,000億ドル(約44兆円)>
<クリーンエネルギーなどの開発プロジェクトへの投資:1,800億ドル(約20兆円)>
<クリーンエネルギー関連の製造業への投資:3,000億ドル(約33兆円)>
<新たな労働力の開発:1,000億ドル(約11兆円)>
◎法人税率を21%から28%に引き上げる。
◎企業に21%のグローバル最低税を課し、タックスヘイブンによる節税対策を打ち負かす。
◎企業に15%の最低税を課す。
◎化石燃料業界に与えられた税制上の優遇措置を廃止する。
◎大企業に対するIRS監査を強化する。