◎アンナ・ルーチ氏(33歳)、リンジー・ボイラン氏(36歳)、シャーロット・ベネット氏(25歳)は、2016年12月から2020年6月までの間にクオモ州知事からセクハラを受けたと告発した。
ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ州知事は、3人の女性からセクハラ行為で告発され、弾劾の危機に直面している。
アンナ・ルーチ氏(33歳)、リンジー・ボイラン氏(36歳)、シャーロット・ベネット氏(25歳)は、2016年12月から2020年6月までの間にクオモ州知事からセクハラを受けたと告発した。
クオモ政権は同州内の養護施設におけるコロナの死亡者数を偽ったことで厳しい調査を受けており、今回のセクハラ問題でさらにダメージを受けた。
世界の中心NYを管理するクオモ州知事は、反トランプを前面に押し出し、NYを躊躇なくロックダウンしたことで一躍民主党のスターになり、関係者は将来の大統領候補と一目置いていた。
クオモ州知事セクハラタイムライン
2020年12月13日
元NY州知事補佐官のリンジー・ボイラン氏がクオモ州知事からセクハラを受けたと告発。キスを迫られ、何年も嫌がらせを受けたと主張した。
ボイラン氏は一連のセクハラ行為をツイートした。
「クオモは何年も私にセクハラしました。多くの人がそれを見ていました」
「当時、私は彼が何(セックス)を期待しているか理解できませんでした。クオモは私を仕事で辱め、外見について嫌がらせを何度も言いました。クオモは何年も私を痛めつけました」
クオモ州知事はこの告発を却下したうえで、「女性には自分の意見を表明し、自分が抱えている問題や懸念を表明する権利があると信じています。しかし、この申し出は真実ではありません」と反論した。
2021年2月24日
ボイラン氏は、クオモ州知事が州の経済開発機関で働いていた時に不適切な行動をしたと非難した。
クオモ州知事は2016年1月に初めてボイラン氏と対面した際、「恋をした」と熱烈なメッセージを送ったという。
2017年10月、政府の飛行機に搭乗したボイラン氏は、クオモ州知事にストリップポーカーをプレイするよう促された。(負けた方が1枚ずつ服を脱ぐ)
ストリップポーカー事件から1年後、ボイラン氏は経済開発機関の特別顧問に昇進した。しかし...
リンジー・ボイラン氏:
「2018年、クオモはニューヨーク市のオフィスで突然私にキスしました。私はショックを受け目の前が真っ白になりました。私は立ち去ろうとしましたが、クオモは私の前に足を踏み入れ、またキスをしました」
ボイラン氏は2018年9月に辞任した。
2021年2月27日
シャーロット・ベネット氏はタイムズ紙にセクハラの事実を告発した。
ベネット氏はクオモ州知事から私生活および性生活に関する質問を受けた主張している。同氏がクオモ政権に採用されたのは2019年。秘書兼健康政策顧問としてクオモ州知事に仕えた。
2020年6月5日、ベネット氏は私生活についてクオモ州知事から質問を受けた。
「クオモは私と性的関係を構築したいと考えていました。直接セックスしたいとは言いませんでしたが、彼の質問を聞き、確信しました」
「クオモは年齢の差が恋愛関係の障害になると思うか?と質問しました。そして、年上の男性とセックスしたことがあるかと尋ねました」
2020年6月、クオモ州知事はパンデミックの影響で孤独を感じているとベネット氏にカミングアウトしたうえで、「私は誰も抱きしめることができない。君が最後に抱きしめたのは誰ですか?」と質問した。
「クオモが私と寝たいと思っていたことは明らかでした。とても不快で怖かったです。私はこの環境から抜け出す方法を考え、この仕事は終わりだと感じました」
ベネット氏は2020月11月に辞任した。
2021年2月28日
クオモ州知事は非難の嵐と圧力に屈し、NY州のレティシア・ジェームズ司法長官に召喚の権限を持つ特別検察官を任命し、セクハラの申し出に対する独立した調査を行うよう申し出た。
クオモ州知事は声明で、「私は誰かを怒らせたり害を与えるつもりはなかった」と述べた。
アンドリュー・クオモ州知事:
「私は誰にも不適切に触れたり、提案したり、誰かに不快感を与えるつもりはありませんでした。しかし、ニューヨーカーには主張する権利があります」
ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長はクオモ州知事の行動を非難する声明を発表し、「州議会は、地方都市の権限を覆すクオモ州知事の力を直ちに取り消さなければならない」と述べた。デブラシオ市長はセクハラだけでなく、養護施設の問題についても独立した調査を行うよう求めている。
さらに、ニューヨーク州のアレッサンドラ・ビアッジ上院議員(民主党)もこれに続く。
ビラッジ上院議員はABCニュースのインタビューの中でクオモ州知事を厳しく非難し、速やかに辞任しなければならないと述べた。
2021年3月1日
ニューヨーク・タイムズがクオモ州知事からセクハラ被害を受けたアンナ・ルーチ氏の告発記事を発表。なお、ルーチ氏はクオモ州知事とは仕事をしていない。
2019年9月、ルーチ氏はニューヨーク市で行われた結婚披露宴でクオモ州知事と対面した。
クオモ州知事はルーチ氏の腰と頬に手を当て、「キスしてもいいですか?」と尋ねた。ルーチ氏は証拠の写真をSNSで共有している。
ルーチ氏はキス強要事件を「とても不快で恥ずかしい」と却下し、「あの時、私に選択の余地はなかった」と述べた。なお、ルーチ氏によると、クオモ州知事は唇ではなく頬にキスをしたという。
2021年3月2日
NY州のキャスリーン・ライス下院議員がクオモ州知事に辞任を要求した。
また、NY司法長官事務所は、3人目の申し立てを進行中の調査に追加することに同意したと伝えられている。
司法長官事務所は以前、「追加の申し立てが表面化した場合に備え、調査の範囲を制限しない」と述べていた。レポートは調査が終わり次第公表される。
3月2日午後、NY州議会はクオモ州知事に付与されたコロナウイルス関係の権限を抑制する法案を提出した。
州当局は声明で、「この法案は、州知事に与えられた一時的な緊急権限を直ちに停止するものです。ただし、公衆衛生に不可欠な行政措置を維持することは認めます」と述べた。