◎ユナイテッド航空は声明で、ボーイング777-200の運用を一時的に停止したと発表した。
報道によると、米連邦航空局(FAA)はコロラド州で落下物事故を起こしたユナイテッド航空に、保有するボーイング777-200の検査の強化を命じたという。
ユナイテッド航空は声明で、ボーイング777-200の運用を一時的に停止したと発表した。
同社の運航するデンバー発ホノルル行き328便は、離陸直後に右エンジンのトラブルに見舞われ、コロラド州ブルームフィールドの住宅街にエンジンのパーツをばらまいた。
その後、328便はデンバー国際空港に無事着陸し、乗客乗員241人にケガはなかった。また、警察当局によると、落下物で負傷したという報告はいまのところ確認されていないという。
FAAのスティーブ・ディクソン局長は21日の声明で、「安全性データの最初のレビューに基づき、事故を担当した検査官はボーイング777の中空ファンブレードの検査を強化する必要があると結論付けました」と述べた。
国家運輸安全委員会(NTSB)も別の声明で、「328便は2つの中空ファンブレードが破損し、残りのファンブレードも損傷していた」と報告したが、完全な事故原因の特定には至っておらず、ファンブレードに問題があったと結論付けることは時期尚早と警告した。
2月20日にツイッターで共有された動画には、炎に包まれ大きく破損しながらも回転する右エンジンの様子が映っていた。
FAAによると、ユナイテッド航空は国内で唯一プラット・アンド・ホイットニーPW4000(高バイパスターボファンエンジン、ボーイング777-200のエンジンに採用)を保有している航空会社だという。現在、同社は777-200を24機保有している。
ユナイテッド航空は声明の中で、「FAAおよびNTSBと緊密に連携して、ボーイング777-200が当社の安全基準を満たし、サービスに復帰できるために必要な追加措置を講じる」と述べた。
NTSBによると、328便のコックピットボイスレコーダーとフライトデータレコーダーの調査と分析は、ワシントンD.C.の研究所で行うという。NTSBの調査は1年以上かかる場合もあるため、途中経過を公表することが慣例になっている。
日本と韓国の航空会社もプラット・アンド・ホイットニーPW4000を採用した機体を保有、運航している。日本経済新聞によると、日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)は合わせて32機の運航停止を決めたという。
昨年12月4日にエンジントラブルを起こした那覇空港発羽田行きJAL904便もボーイング777-200。