▽ガルシアさんはギャングによる暴力から逃れるため、16歳で母国を離れた。
.jpg)
米民主党の下院議員団が21日、中米エルサルバドルを訪問し、米国から誤って強制送還され、現在同国の悪名高い巨大刑務所に収容されている男性を速やかに釈放するよう要請した。
4人の下院議員は共同声明で、「メリーランド州在住の米国市民であるガルシア(Kilmar Abrego Garcia)さんの帰国を推進するために、エルサルバドルの政府高官らと協議する予定だ」と述べた。
また4人はトランプ政権が市民を誘拐し、外国に強制送還するプログラムを実行していると批判。「無実の市民を逮捕し、刑務所に入れ、正当な手続きなしで強制送還している」と強調した。
トランプ政権は先月中旬、1798年に制定され、第2次世界大戦中に日系人の強制収容で使われたことで知られる敵性外国人法に基づき、ベネズエラの麻薬組織「トレンデアラグア」の構成員約250人をエルサルバドルの刑務所に送った。
先月末にはエルサルバドルのギャング「マラ・サルバトルチャ(通称MS-13)」のメンバーとされる17人もエルサルバドルに強制送還した。
トランプ政権は送還した移民をギャングのメンバーと呼んでいるが、一部の親族はそれを否定している。
3月以来、エルサルバドルは米国から300人近くのベネズエラ人移民を受け入れている。その中にトランプ政権が誤って送還したと認めたメリーランド州在住のガルシア(Kilmar Abrego Garcia)さんも含まれていた。
ガルシアさんはギャングによる暴力から逃れるため、16歳で母国を離れた。
弁護団によると、ガルシアさんに前科はなく、ギャングとのつながりを示す証拠も確認されていない。トランプ政権はガルシアさんがMS-13の構成員であると主張し、送還を擁護した。
米最高裁判所はトランプ政権による敵性外国人法を活用したベネズエラ犯罪者の強制送還を差し止めた下級審の仮処分について、無効とする判断を示した。
その一方、最高裁はガルシアさんが誤って送還されたとして、米国への帰還を「促進」するよう政権に命じた。
トランプ政権はガルシアさんを釈放するかどうかは主権国家のエルサルバドルが決めることであると主張し、送還を強制することはできないと述べている。