▽スーダンでは23年4月に内戦が勃発。軍政とRSFがハルツームなどの支配権を争っている。
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アフリカ北東部・スーダンの軍事政権は21日、首都ハルツームの大統領府を準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」から奪還したと発表した。
ソーシャルメディアで拡散した動画には大統領府の前で奪還を祝う兵士の姿が映っていた。
軍政の報道官は声明で、大統領府からRSFを追い払い、その残党を追撃していると述べた。
大統領府は廃墟のようになっており、兵士たちは壊れたタイルを踏みしめていた。アサルトライフルとロケットランチャーを携えた兵士たちはこう唱えた。「アラーアクバル!(神は偉大なりの意)」
軍政の幹部もX(旧ツイッター)に声明を投稿。兵士たちを称え、RSFを滅ぼすまで戦争を続けると誓った。「今日、大統領宮殿に国旗が掲げられた。旅は続く。我々は勝つ...」
RSFは声明を出していない。
スーダンでは23年4月に内戦が勃発。軍政とRSFがハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1300万人以上が避難を余儀なくされ、うち400万~450万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
RSFは戦闘勃発後、すぐに大統領府を含むハルツームの大部分を占領。軍はここ数カ月で巻き返しを図り、ナイル川沿いの官邸に迫っていた。
今年初めに新政権を樹立したRSFはハルツームと隣接するオムドゥルマンの一部、そして西部を支配し、激戦地ダルフール地方における軍の最後の拠点である北ダルフール州エルファーシルの制圧を目指している。
RSFがハルツームとオムドゥルマンから撤退すれば、同国は東西に分割されることになるだろう。
軍政をRSF滅ぼすまで戦争を続けると宣言、和平交渉は実現していない。