▽メキシコは貿易の多様化を模索しているが、地理的な条件から、短期的に大きな変化を起こすことは難しいとみられる。
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トランプ(Donald Trump)米大統領による関税政策で混乱が広がる中、米国に輸出されるメキシコ製品の流れが減速している。
メキシコの全国輸出入業者協会(ANIERM)によると、メキシコ製品に25%の関税がかかった4日、テキサス州エルパソと国境を接する製造業の中心地シウダー・フアレス(チワワ州)では対米輸出が約40%減少したという。
ANIERMの報道官は5日、ロイター通信の取材に対し、「これは約1億ドルのメキシコ製品に相当する」と語った。
それによると、企業は米政府が関税を一時停止することを期待し、商品の出荷を止めているという。
トランプ氏は6日、2日前に発動したメキシコとカナダに対する25%の関税について、「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)対象の製品に関しては4月2日まで関税を免除する」と発表した。
トランプ氏はこれに先立ち、USMCAに該当する商品について、「メキシコは関税を支払う必要がない」と表明していた。
当初は対メキシコ関税のみ免除としていたが、その後に署名した大統領令の修正ではカナダも免除対象とした。
ANIERMは声明でこの決定を歓迎。メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領に対し、米国との対話を継続するよう求めた。
メキシコは貿易の多様化を模索しているが、地理的な条件から、短期的に大きな変化を起こすことは難しいとみられる。両国の貿易総額は昨年、8000億ドル(約120兆円)を超えた。
専門家によると、メキシコで生産される生鮮野菜や果物など、農作物の大半が米国市場向けであり、取引相手を変えることは容易ではないという。
国際通貨基金(IMF)は6日、米国がメキシコとカナダに課した関税が維持されれば、両国の経済に深刻な影響を与えると警告した。