▽トランプ氏はパナマ運河の通行料が高騰していることに不満を示し、パナマ政府に運河の管理権を米国に返還するよう求めている。
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中米パナマのムリノ(José Raúl Mulino)大統領は5日、トランプ(Donald Trump)米大統領が施設方針演説で「パナマ運河を取り戻す」と発言したことを非難した。
トランプ氏は4日の演説で、パナマ運河の両端で港を運営する香港の複合企業CKハチソン・ホールディングスが保有する会社の株式を、米国の投資会社ブラックロック率いる連合体が買い取るという取引に言及。「パナマ運河を取り戻す」と改めて主張した。
ムリノ氏はX(旧ツイッター)への投稿で、この取引がトランプ政権の圧力によって実現したという報道を否定した。
またムリノ氏はトランプ氏がウソをついてパナマを侮辱したと非難した。
ムリノ氏は先月初め、ルビオ(Marco Rubio)米国務長官との会談後、中国の大経済圏構想「一帯一路」から離脱すると表明した。
パナマはハチソン・ホールディングスによる港湾の運営について、「中国の支配には当たらず、米企業への売却は米国による運河の奪還を意味するものではない」と強調している。
パナマ政府は4日、これを「民間企業間の取引」とし、政府が関与しているという憶測を否定した。
トランプ氏はパナマ運河の通行料が高騰していることに不満を示し、パナマ政府に運河の管理権を米国に返還するよう求めている。
またトランプ氏は「パナマ政府が約束を破り、運河を中国に譲り渡した」と主張している。
パナマ運河は世界で最も交通量の多い航路のひとつ。米国は1914年にパナマ運河を建設し、何十年もの間、運河周辺の領土を管理してきた。
米政府は共同管理の期間を経て、1999年に運河の管理権をパナマ政府に引き継いだ。
米国はパナマの最大の貿易相手国であり、2012年に米国・パナマ自由貿易協定(FTA)を結んでいる。