▽2013年に数百人が死亡したサリン事件後、アサド政権下のシリアは米露の取り決めによりOPCWに加盟。1300トンの化学兵器と前駆体を廃棄した。
、演説するシリア外相(ロイター通信).jpg)
シリア暫定政権のシェイバニ(Asaad al-Shaibani)外相は5日、アサド前政権が残した化学兵器を速やかに除去すると誓い、国際社会に支援を訴えた。
シェイバニ氏はオランダ・ハーグの化学兵器禁止機関(OPCW)の会合で演説。シリアの外相が同機関を訪問したのは初めて。
2013年に数百人が死亡したサリン事件後、アサド政権下のシリアは米露の取り決めによりOPCWに加盟。1300トンの化学兵器と前駆体を廃棄した。
しかし、アサド政権はその後の内戦で化学兵器を使用。国連とOPCWの合同プログラム、OPCWの調査、国連の戦争犯罪調査団の3つの調査によって、神経ガスであるサリンと塩素樽爆弾の使用が確認された。
OPCWは一連の化学兵器使用で数千人が死傷したと結論付けている。
シリアはOPCW加盟の一環として査察を受けることになっていたが、10年以上もの間、OPCWはその実態を正確に調査することができなかった。
シェイバニ氏は演説の中で、「シリアは前政権がもたらしたこの数十年来の問題を解決する準備ができている」と語った。
OPCWはこの発表を歓迎。シリアが歴史的な転換点を迎えたと称賛した。またOPCWはシリアの化学兵器計画の全容と範囲についての説明を受ける予定と明らかにした。
OPCWはアサド政権が申告した化学兵器の備蓄について、「現地の状況を正確に反映したことは一度もない」と結論付けている。
OPCWは現在、化学兵器およびその計画に関連する可能性のある100カ所ほどの施設を調査したいと考えている。