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▽2人は外交関係に関するウィーン条約の規定に違反する活動を行った疑いがあるという。それ以上の詳細は明らかにしていない。
2024年12月8日/ルーマニア大統領選のやり直しに抗議するデモ、支持者に手を振るジョルジェスク候補(中央)(AP通信)

ルーマニア外務省は5日、ロシアとEUおよびNATO加盟国間で緊張が高まる中、在ロシア大使館の外交官2人に国外退去を命じたと明らかにした。

それによると、2人は外交関係に関するウィーン条約の規定に違反する活動を行った疑いがあるという。それ以上の詳細は明らかにしていない。

外務省は声明で、首都ブカレストの在ロシア大使館の責任者にその旨を伝えたと述べた。

ロシア大使館はこの決定を「根拠のない非友好的なもの 」と批判。「報復措置を取る権利を留保する」とフェイスブックに投稿した。

一部メディアは4日、EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長が昨年12月のルーマニア大統領選挙で最有力候補に浮上した親ロシア派の極右ジョルジェスク(Calin Georgescu)氏を5月のやり直し選挙に参加させないようルーマニア政府に要請したと報じた。

ルーマニア憲法裁判所は大統領選第1回投票の結果を無効と判断し、ジョルジェスク氏の決選投票進出に待ったをかけた。

やり直し大統領選までの間、国会議長が大統領代行を務めている。

憲法裁は人工知能(AI)を含むデジタル技術の違法な使用や、未申告の選挙資金が使用されたと指摘。また、ある候補がソーシャルメディア・プラットフォームで「優遇措置」を受け、その結果、有権者の意思表示が歪められたとしている。

多くの地元メディアが「ロシアの選挙介入が疑われている」と報じた。

やり直し大統領選は5月4日に予定されている。過半数を獲得する候補が出なかった場合は5月18日の決選投票で勝者を決める。

ジョルジェスク氏がこれに出馬できるかはまだ明らかではない。

情報機関はジョルジェスク氏の陣営がティックトック(TikTok)のユーザーに36万1000ユーロの報酬を支払い、ジョルジェスク氏のコンテンツを宣伝させたと主張している。

ジョルジェスク氏は自身の選挙活動費をゼロと公言していた。

捜査当局はジョルジェスク氏が公職選挙法に違反した疑いがあるとみて捜査している。

ジョルジェスク氏は不正行為を否定。憲法裁判所を「政府の犬」と呼び、支持者に抗議デモで対抗するよう呼びかけている。

ジョルジェスク氏は過去にロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領を「国を愛する男」と絶賛し、ウクライナを「敵対国家」と呼んだことがある。

またジョルジェスク氏は1930~40年代にかけてのルーマニアのファシストやナショナリスト指導者たちを国民的英雄と称賛して物議を醸したこともある。

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