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▽米国は4日、メキシコとカナダの輸入品に対する25%の関税を発動。中国には10%の追加関税を課した。
トランプ米大統領(左)とメキシコのシェインバウム大統領(Getty Images/AFP通信)

メキシコシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は4日、トランプ米政権による「関税攻撃」を受け、他の貿易パートナーを探す用意があると表明した。

シェインバウム氏は定例会見で関税が続く可能性に言及。「メキシコは必要であれば、貿易同盟を変更する可能性がある」と語った。

米国は4日、メキシコとカナダの輸入品に対する25%の関税を発動。中国には10%の追加関税を課した。

メキシコは貿易の多様化を模索しているが、地理的な条件から、短期的に大きな変化を起こすことは難しいとみられる。両国の貿易総額は昨年、8000億ドル(約120兆円)を超えた。

この関税はメキシコ経済、多くの企業、特に自動車産業に深刻な影響を与える可能性がある。

北米の自動車産業はカナダを含む3国間の自由貿易協定によって促進される国境を越えた商品の移動から恩恵を受けてきた。一部の自動車部品は最終組み立てまでに6回以上国境を越えることがある。

ロイター通信は情報筋の話しとして、トランプ(Donald Trump)大統領とカナダのトルドー(Justin Trudeau)首相が5日に電話会談を行う予定であると報じた。

シェインバウム氏はこの問題についてトランプ氏と6日に電話会談を行い協議する予定だと明らかにした。

またシェインバウム氏は「その後も関税が続くようであれば、メキシコはカナダや他の国に働きかけるだろう」と語った。

メキシコ・ペソは5日、わずかに上昇し、「1ドル=20.41ペソ」で取引を終えた。

シェインバウム氏は報復関税を含む対応について、「8日のイベントで詳細を説明する」としている。

ラトニック(Howard Lutnick)米商務長官は5日、関税に関する発表を行う可能性があると述べ、自動車など、一部分野の関税を軽減する可能性を示唆した。

トランプ氏はメキシコとカナダのフェンタニルと不法移入対策に不満を示し、両国が必要な措置を取るまで関税を続けると警告している。

トランプ氏はフェンタニルと不法移民の流入を阻止するために国境警備を強化。中南米の8つの麻薬カルテルを外国テロ組織に指定したり、不法移民を本国や第三国に送還している。

フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍、ヘロインの50倍といわれている。

米国では過去10年間で45万人以上が合成オピオイドの過剰摂取で死亡、数百万人が中毒になっている。その最大の要因がフェンタニルである。

メキシコ政府は米国境に1万人規模の軍隊を展開。カナダ政府もフェンタニル対策を強化した。

米国に流入するフェンタニルの99.99%がメキシコ産である。メキシコの麻薬カルテルは中国やインドから合成オピオイドの前駆体化学物質を輸入。国内で加工し、米国などに密輸してきた。

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