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▽セルビアでは昨年11月から政府与党と北部ノビサドの駅天井崩落事故に抗議するデモが全国各地で行われている。
2025年3月5日/セルビア、首都ベオグラードの国会(AP通信)

セルビア・ベオグラードの議会議事堂で4日、野党議員が発炎筒を投げ込み、議員3人が負傷した。

議会はこの日、大学への助成金を増額する法案などを採決する予定であったが、全て中止となった。

野党によると、政府与党は他にも数十の法案を採決する予定であったという。

野党は与党が協議なしで法案を一方的に可決しようとしている非難し、ブチェビッチ(Milos Vucevic)首相に辞任を要求している。ブチェビッチ氏は1月に辞意を表明している。

現地メディアによると、開会から約1時間後、野党議員たちが笛を吹き、「セルビアは立ち上がり、政権は崩壊する!」と書かれた横断幕を掲げ、数人が発炎筒を投げ込んだという。

国会議事堂の外には数百人の野党支持者が集まり、警察とにらみ合いになった。

国営メディアが報じた映像には議員たちが言い争う中、発炎筒が投げ込まれる様子が映っていた。報道によると、生卵や水筒なども投げ込まれたという。

この騒動で3人が負傷し、うち1人が病院に搬送された。国会議長は野党を「テロリスト集団」と呼び、国防相は「恥知らず」と非難した。

セルビアでは昨年11月から政府与党と北部ノビサドの駅天井崩落事故に抗議するデモが全国各地で行われている。

このデモは各地の学生ユニオンが主催。多くの学生が講義をボイコットし、政府に説明を求めるため、デモに参加している。

この結果、国内のほぼ全ての大学が閉鎖される事態となった。

ノビサドの事故は市中心部の鉄道駅の入り口で24年11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む15人が死亡、2人が重傷を負った。

この駅は1964年に建設され、近年2度改修工事が行われたものの、崩落した天井は工事に含まれていなかった。直近の工事は中国の国営企業が請け負っていた。

ブチェビッチ氏は1月末、政府との対話に応じるようデモ隊に求め、辞意を表明。ノビサドの市長も同日辞任した。

野党は広範な汚職とずさんな改修計画が事故を招いたとして、ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領に辞任を要求している。駅の落成式には多くの政府高官が出席していた。

政府与党は過去の抗議デモを鎮めることに成功してきたが、現在の学生運動は農業組合、教職員、看護士、弁護士、医師、裁判官、俳優など、あらゆる階層から広く支持を集めており、収まるどころか勢いを増しているように見える。

検察は昨年末、駅崩落に関連してベシッチ(Goran Vesic)前建設相を含む13人を起訴した。13人は公共の安全に対する重大な犯罪行為と公共工事で不誠実な対応をした罪に問われている。有罪が確定すれば、12年以下の懲役刑に処される可能性がある。

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