▽M23の戦闘員は2月28日、北キブ州の州都ゴマにある2つ病院を襲撃し、病人と負傷者を拉致した。
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アフリカ中央部・コンゴ民主共和国の東部・北キブ州で同国最大の反政府勢力M23(3月23日運動)が少なくとも131人の病人と負傷者を拉致した。国連が3日、明らかにした。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると、M23の戦闘員は2月28日、北キブ州の州都ゴマにある2つ病院を襲撃し、病人と負傷者を拉致したという。
OHCHRは「M23がゴマ市内の2つの病院を襲撃し、最初の病院で116人、次の病院で15人を拉致し、どこかに連れ去った」と非難した。
それによると、M23は国軍の兵士とその同盟組織であるワザレンドの兵士を探していたという。
M23が主導するコンゴ川同盟は1月末に北キブ州の最大都市ゴマを占領。その後、東部第2の都市である南キブ州ブカブに進軍、制圧した。
M23は2月初めに一方的に停戦を宣言したが、ゴマ郊外ではそれ以降も激しい戦闘が続いているとみられる。
国連はM23がゴマを制圧して以来、3000人近くが死亡、約2900人が負傷したと報告していた。トゥルカ氏はこの数を上方修正した。
欧米諸国は隣国ルワンダによるM23への軍事支援を非難。一部の国は援助停止を決めている。
ルワンダ軍はM23を積極的に支援し、ゴマ市内で堂々と活動中。ゴマ郊外でコンゴ軍と交戦中という情報もある。
ルワンダ大統領府は1月末、「コンゴとの全面戦争に応じる用意がある」と表明した。
OHCHRは声明の中で、「M23は敵対勢力の兵士を捕らえるために医療機関を組織的に襲撃し、131人をどこかに連れ去った」と述べた。
またOHCHRは国際社会に対し、コンゴ東部の紛争にもっと目を向け、避難者への支援を強化するよう促した。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。
コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダは長年、この主張を否定してきた。
1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。ルワンダはコンゴ政府が組織的に大虐殺の加害者であるフツ族を匿っていると主張している。
ルワンダ大虐殺の犠牲者は80万~100万人と推定されている。フツ族の過激派はツチ族だけでなく、フツ族の穏健派も殺害した。
国連はコンゴ国内で活動するルワンダ兵を最大4000人と推定している。
政府とM23による戦争は世界最大級の人道危機に発展。700万人以上が避難を余儀なくされている。
ゴマには国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の本部と南部アフリカ地域圏の基地があり、郊外の避難民キャンプでは数百万人がテント生活を送っている。
M23はブカブから30キロほど離れた地点にある空港も占拠した。
国連はこの紛争が1990年代から2000年代の第2次コンゴ戦争のような規模に発展することを恐れている。この戦争では500万~600万人が死亡したと推定されている。