▽ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は2日午後の時点で4万8388人、負傷者は11万1803人となっている。
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国連は2日、イスラエル政府がパレスチナ・ガザ地区への物資搬入を禁じると発表したことについて、飢餓のリスクを高めるものであり、受け入れられないと表明した。
イスラエル首相府はこの決定について、停戦延長を求める米国の提案をガザのイスラム組織ハマスが受け入れない場合、「さらなる結果」がもたらされると警告している。
支援物資の搬入が完全に停止されたかどうかは分かっていない。
停戦第1段階は3月1日に期限切れとなり、第2段階に移行したように見えた。
ハマスは1日、停戦第1段階を延長するというイスラエルの発表に不満を表明し、第2段階の交渉は全く進展していないと批判していた。
イスラエル政府は声明の中で、停戦第1段階をラマダンと過ぎ越しの祭り、4月20日まで延長するという米国の提案を支持すると表明した。この提案はトランプ政権の中東特使ウィトコフ(Steve Witkoff)特使によるものだという。
アラブ諸国はイスラエルの動きを非難。エジプト、カタール、ヨルダンは停戦協定と人道法を無視していると断じた。
ハマス側は停戦第1段階を延長するというイスラエルの要求を拒否し、停戦第2段階に移行するよう求めている。
双方は仲介者を通じて要求を提示している。
第2段階では▽イスラエル軍がガザ地区から完全に撤退すること▽パレスチナ人受刑者を解放する代わりに残りの人質を解放すること▽すべての軍事作戦と敵対行為を永久に停止することなどが協議される見通し。
イスラエル首相府によると、ウィトコフ氏の提案では▽ハマスが最初の日に人質の半分を解放▽残りの人質は恒久的な停戦について合意に達したときに解放するとしている。
ガザには59人の捕虜が残っており、そのうち24人はまだ生きているとみられる。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は2日午後の時点で4万8388人、負傷者は11万1803人となっている。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。
米イスラム関係評議会(CAIR)は2日、ガザへの物資搬入を停止するというイスラエル政府の決定を非難し、それを戦争犯罪と呼んだ。
CAIRは声明で、「戦争犯罪人ネタニヤフによるラマダン期間中のガザ市民への人道支援を遮断するという決定は明らかな戦争犯罪であり、イスラエルが大量虐殺を行っていることを示している」と述べた。
またCAIRは「イスラエルによる残酷で違法な飢餓キャンペーンは国際刑事裁判所(ICC)がイスラエル政府高官を提訴するための新たな証拠となる」と指摘した。
さらにCAIRはトランプ米政権を念頭に置き、こう強調した。「我が国の政府がこの人道に対する罪を支持すると報じられたことにショックを受けている」
<停戦協定の概要>
▽第1段階の停戦は1月19日(日)に発効。
▽ハマス側はパレスチナ人捕虜と引き換えに、33人のイスラエル人捕虜を段階的に解放する。
▽イスラエル軍は停戦の第1段階として、ガザ境界の700メートル地点まで撤退する。
▽イスラエルは終身刑250人を含む約2000人のパレスチナ人受刑者を段階的に釈放する。
▽イスラエルはガザ地区内で負傷した人々が治療を受けるために移動することを許可する。
▽イスラエルは停戦開始から7日後にガザ南部とエジプトを結ぶラファ国境検問所を開放する。
▽イスラエル軍はガザとエジプトの境界フィラデルフィ回廊からの撤退を開始し、第2段階で完全に撤退する。
▽停戦の第1段階中、毎日600台の援助トラックをガザ地区に送り、食料や医薬品などを難民キャンプなどに届ける。
▽恒久的な和平に向けた同盟国による間接協議は第1、2段階中継続される。
▽ハマスは残りのイスラエル人捕虜を第2段階以降に解放する。