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▽オルテガ氏は2018年の反政府デモを鉄の拳でねじ伏せ、350人以上を殺害して以来、5000以上のNGOを閉鎖または非合法化し、野党政治家を含む数千人を恣意的に逮捕・投獄してきた。
ニカラグア、オルテガ大統領(右)と妻のムリジョ副大統領(Randall Campos/ロイター通信)

ニカラグア政府は27日、国連がオルテガ(Daniel Ortega)大統領を権威主義者と非難したことを受け、国連人権理事会から脱退すると発表した。

オルテガ氏の妻であるムリジョ(Rosario Murillo)副大統領は声明で、「この決定は取り消し不可能であり、ニカラグアは人権理事会とそのメカニズムに関連するすべての活動への参加を停止する」と述べた。

国連は26日に公開した報告書の中で、「オルテガ氏と共同大統領を務める妻のムリジョ氏はニカラグアを権威主義国家に変貌させた」と非難。国際社会に対応を求めていた。

国会を支配する与党・サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)は先月末、オルテガ氏が提案した憲法改正案を全会一致で採択。これにより、大統領府に司法と立法を「調整」する権限が与えられた。

また大統領府はメディアに対する国家統制を拡大する権限も付与された。

ムリジョ氏の肩書はこの憲法改正で「共同大統領」に正式に変更された。

国連は国際社会に対し、ニカラグアに対する法的措置を促した。

しかし、オルテガ政権はこれまで、国連や米州機構からの勧告を全て無視してきた。

ムリジョ氏は声明の中で、国連の報告書を「捏造、虚偽、ゴミ」と呼び、却下した。

オルテガ氏は2018年の反政府デモを鉄の拳でねじ伏せ、350人以上を殺害して以来、5000以上のNGOを閉鎖または非合法化し、野党政治家を含む数千人を恣意的に逮捕・投獄してきた。

弾圧に屈したカトリック教会やNGO施設などは軒並み差し押さえられている。これらの裁判は刑務所内の手作り簡易裁判所で行われ、被告たちは一方的に長期刑を宣告されてきた。

2018年の弾圧以来、数十万人が国外に流出。その大半が隣国コスタリカに渡り、米国を目指している。

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