▽軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
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国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のターク(Volker Turk)高等弁務官は27日、アフリカ北東部・スーダンで大飢饉のリスクが劇的に高まり、60万人以上がいつ餓死してもおかしくない状況に置かれていると警告した。
ターク氏は国連人権理事会で演説。「ダルフールの難民キャンプを含む5つの地域で飢饉が発生している」と述べた。
またターク氏は「スーダンは奈落の底をのぞき込んでいる」と警告。今後3ヶ月間でさらに5つの地域で飢饉が発生する可能性があると述べ、国際社会に支援を呼びかけた。
軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1300万人以上が避難を余儀なくされ、うち300万~350万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
ターク氏はスーダンの現状を「火薬庫」と評し、「いつ爆発してもおかしくない状態で、ジェノサイド(集団殺害)と大飢饉により、大量死が目の前に迫っている」と警告した。
またターク氏は紛争当事者に対し、武器を置き、国連主導の支援活動を全力でサポートし、市民を助け、基幹作業である農業を立ち直らせるよう求めた。
国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は24日、ダルフールでの戦闘激化を受け、野戦病院を含む難民キャンプでの活動を一時停止。国連世界食糧計画(WFP)もこれに続いた。
WFPは約30万人の難民に毎月支援を提供してきたが、砲撃が激化する中、今月食料を供給できたのはわずか6万人にとどまった。あるケースでは難民キャンプの中心部にある市場が空爆を受け、多くの死傷者が出たという。