▽トランプ氏は昨年7月のベネズエラ大統領選が民主的な条件を満たしていないと指摘、マドゥロ大統領を非難した。
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トランプ(Donald Trump)米大統領は26日、米石油大手シェブロン社によるベネズエラ産石油の輸出許可を今週中に打ち切ると発表した。
トランプ氏は昨年7月のベネズエラ大統領選が民主的な条件を満たしていないと指摘、マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領を非難した。
またトランプ氏は「マドゥロに与えた譲歩を撤回する」とした。
カリフォルニア州に本社を置くシェブロン社は米政府によるベネズエラ制裁を免除され、米国内にベネズエラ産石油を輸入・販売することを許可されている。
世界最大の石油埋蔵量を誇るベネズエラの石油採掘事業は第1次トランプ政権時代の経済制裁で行き詰まった。
マドゥロ氏は2年前、野党と民主的な選挙に向けて協力することに合意。バイデン前政権はこれを受け、制裁を一部緩和し、シェブロン社にライセンスを与えた。
しかし、24年7月に行われた大統領選挙は公正でも公平でもなく、マドゥロ氏は先月、対立候補がより多くの票を得たという確かな証拠があるにもかかわらず、3期目をスタートさせた。
バイデン政権はベネズエラ野党や人権団体から「民主主義の回復を後押ししてほしい」と懇願されながらも、その許可を取り消すよう求める声に最後まで抵抗した。
野党はマドゥロ政権がシェブロン社を通して約40億ドルの外貨を得たと見積もっている。
シェブロン社の広報担当は声明で、「弊社は今日の発表を承知しており、その意味を検討している。弊社は米政府の制裁枠組みを含め、すべての法律と規制を遵守してベネズエラで事業を行ってきた」と強調した。
ベネズエラは世界最大の石油埋蔵量を誇り、かつては南米最大の経済大国であった。しかし、その経済は米政府による制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。
現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、800万人近くが国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。