▽ジョルジェスク氏は警察が罪を捏造したと主張している。
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昨年のルーマニア大統領選挙第1ラウンドを1位通過した極右ジョルジェスク(Calin Georgescu)氏が交通違反で摘発され、検察庁に連行された。現地メディアが26日に報じた。
それによると、ジョルジェスク氏は警察が罪を捏造したと主張しているという。
捜査当局はジョルジェスク氏がどのような罪に問われているか、また起訴されるかどうかを明らかにしていない。
ジョルジェスク氏はフェイスブックに声明を投稿。「当局は証拠を捏造し、私の大統領選立候補を阻止するつもりだ」と書いた。
またジョルジェスク氏は首都ブカレストで3月1日に抗議デモを行うよう支持者に呼びかけた。
ブカレストの検察庁前には26日、ジョルジェスク氏を支持する数百人の支持者が集まり、こう連呼した。「ジョルジェスク解放!ジョルジェスク大統領!」
チョラク(Marcel Ciolacu)首相はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「司法は独立しており、法律はすべての人に適用される」と書いた。
憲法裁判所は昨年12月、大統領選第1回投票の結果を無効と判断し、親ロシア派のジョルジェスク氏の決選投票進出に待ったをかけた。
大統領選やり直しで任期満了後も暫定的に留任していた中道のヨハニス(Klaus Iohannis)大統領は極右の批判や抗議デモが激化したことなどを受け、今月辞任した。
やり直し大統領選までの間、国会議長が大統領代行を務めている。
憲法裁は人工知能(AI)を含むデジタル技術の違法な使用や、未申告の選挙資金が使用されたと指摘。また、ある候補がソーシャルメディア・プラットフォームで「優遇措置」を受け、その結果、有権者の意思表示が歪められたとしている。
やり直し大統領選は5月4日に予定されている。過半数を獲得する候補が出なかった場合は5月18日の決選投票で勝者を決める。
ジョルジェスク氏がこれに出馬できるかはまだ明らかではない。
ジョルジェスク氏は憲法裁の決定後、地元の裁判所に異議を申し立て、欧州人権裁判所に提訴した。
情報機関はジョルジェスク氏の陣営がティックトック(TikTok)のユーザーに36万1000ユーロの報酬を支払い、ジョルジェスク氏のコンテンツを宣伝させたと主張している。
ジョルジェスク氏は自身の選挙活動費をゼロと公言していた。
捜査当局はジョルジェスク氏が公職選挙法に違反した疑いがあるとみて捜査している。
ジョルジェスク氏は不正行為を繰り返し否定。憲法裁判所を「政府の犬」と呼び、支持者に抗議デモで対抗するよう促している。
ジョルジェスク氏は過去にロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領を「国を愛する男」と絶賛し、ウクライナを「敵対国家」と呼んだことがある。
またジョルジェスク氏は1930~40年代にかけてのルーマニアのファシストやナショナリスト指導者たちを国民的英雄と称賛して物議を醸したこともある。