▽軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘は2週間ほど前から激化。WFPを含む国際機関で働く多くの職員が避難を余儀なくされている。
-2.jpg)
国連世界食糧計画(WFP)は26日、アフリカ北東部・スーダンのダルフール地方にある難民キャンプ周辺で戦闘が激化しているため、援助物資の配布を一時停止したと明らかにした。
それによると、軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘は2週間ほど前から激化。WFPを含む国際機関で働く多くの職員が避難を余儀なくされているという。
ダルフール地方には難民キャンプが複数あり、少なくとも50万人が避難生活を余儀なくされている。
WFPは声明で、「国軍とRSFの戦闘激化により、WFP職員やパートナー機関の関係者たちが避難を余儀なくされた」と述べた。
またWFPは「援助を早急に再開できなければ、今後数週間のうちに壊滅的な大飢饉が発生する可能性がある」と警告した。
軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1300万人以上が避難を余儀なくされ、うち300万~350万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
WFPは紛争当事者に戦闘を停止し、人道援助物資の輸送を促進するよう求めた。
またWFPは「難民キャンプを戦闘から保護し、命を救う援助の提供を安全かつ迅速に、そして大規模に再開しなければならない」と強調した。
WFPは約30万人のキャンプ住民に食料を供給してきたが、砲撃が激化する中、今月WFPとパートナーが支援を供給できたのはわずか6万人にとどまった。
WFPは声明の中で、「あるケースでは難民キャンプの中心部にある市場が空爆を受け、多くの死傷者が出た」と非難した。
国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は今週初め、ダルフールでの戦闘激化を受け、野戦病院を含む難民キャンプでの活動を一時停止したと発表した。