▽ギャングは25日未明にポルトープランス中心部のデルマス地区に攻め込んだ。
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中米ハイチの武装ギャングが首都ポルトープランス中心部の地区に侵攻し、住民を殺害している。現地メディアが26日に報じた。
それによると、ギャングは25日未明にポルトープランス中心部のデルマス地区に攻め込んだという。
ロイター通信は避難者の話しとして、「少なくとも15人が銃殺されるところを見た」と伝えている。
AP通信によると、このギャングはデルマス地区を支配する別のギャングと対立していたという。
APの取材に応じた男性は「狂ったギャングテロリストは近所の女性と子供を連行し、焼き殺した」と語った。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
この結果、100万人以上が住居を失い、その場しのぎの不衛生なテントやシェルターで避難生活を余儀なくされている。ギャング紛争が始まって以降、国を離れた市民は数十万人と推定され、一部は米国を目指している。
地元の人権団体RNDDHによると、複数人が銃殺されたり、ナタやナイフで切り殺されたという。家屋が複数全焼したという情報もある。
国家警察と国連支援ミッションはコメントを出していない。
地元テレビ局がSNSに投稿した動画には一輪車で死体を搬送する男性の姿が映っていた。
国連支援ミッションには約800人のケニア国家警察を中心に、ジャマイカ、グアテマラ、エルサルバドルなどの兵士や警察官が参加している。