スポンサーリンク
▽ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ハイチ、首都ポルトープランス、ギャングの暴力に抗議するデモ(Getty Images)

EUが今週、中米ハイチ政府に1950万ユーロ相当の支援を提供すると表明した。

これは必要不可欠なサービスを提供する能力を強化し、危機時におけるマクロ経済の安定を促進するためのものである。

EUの執行機関である欧州委員会は声明で、「この支援プログラムはハイチ経済を安定させ、国民に基本的なサービスを提供するための重要な一歩である」と述べた。

また欧州委員会は「地域社会の回復力を強化し、ギャング撲滅の取り組みを支援し、国連支援ミッション(MMSS)の効果が持続可能なものとなるよう、積極的に取り組んでいる」とした。

さらに、「今回の決定はハイチが重要な局面を迎えている中で、同国への支援を継続するという強い政治的シグナルを送るものでもある」と強調した。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。中部アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

この結果、100万人以上が住まいを失い、その場しのぎの不衛生なテントやシェルターで避難生活を余儀なくされている。ギャング紛争が始まって以降、国を離れた市民は数十万人と推定され、一部は米国を目指している。

米国やその他の国々は昨年6月に始まった国連支援ミッションの人員と資源が不足していると警告、平和維持活動(PKO)への格上げを提案している。

EUの支援は現在進行中の改革を推進しながら、マクロ経済の枠組みを安定させることを目的としている。差し迫った経済的ニーズへの対応にとどまらず、ハイチ政府が治安や必要不可欠なサービスといった分野において、市民の長期的な期待に効果的に応えられるよう、ガバナンスと公共財政管理の改善に重点を置いた支援を行うとしている。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク