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▽ハマスは22日に予定通りイスラエル人捕虜6人を解放。イスラエルはこれと引き換えに刑務所に収監されているパレスチナ人620人を釈放する予定であった。
2025年2月22日/パレスチナ自治区、ヨルダン川西岸地区、イスラエルの捕虜解放を待つ人々(AP通信)

イスラエル政府は22日、パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスとの停戦合意で約束していた7回目の囚人解放を延期すると発表した。

ハマスは22日に予定通りイスラエル人捕虜6人を解放。イスラエルはこれと引き換えに刑務所に収監されているパレスチナ人620人を釈放する予定であった。

イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は声明で、「次の人質の解放が確実になるまで、そして、ハマスによりイスラエル人捕虜の引き渡しにおける屈辱的な儀式がなくなるまで、パレスチナ人の釈放を延期する」と述べた。

ハマスは停戦第1段階で解放する33人のうち25人は生存していると発表している。

22日の捕虜交換により、停戦第1段階で解放を待つ人質は4人(全員死亡と推定)となった。

ガザ停戦は1月19日に発効。それ以来、地区内でイスラエル軍の大規模攻撃は確認されていないが、散発的な発砲が何件が報告されている。

多くの市民が瓦礫の山と化した自宅に戻り、屋外やテントでの避難生活を余儀なくされている。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は22日午後の時点で4万8319人、負傷者は11万1749人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。パレスチナ当局は紛争の推定死者数を6万1709人と報告、行方不明の約1万3500人が死亡したと推定している。

パレスチナ人620人の釈放はハマスが6人を解放した直後に行われる予定であった。

ハマスは22日、イスラエルの発表を非難し、速やかに620人を解放するよう要求した。

イスラエルの突然の発表により、停戦第2段階の行方はさらに怪しくなった。

パレスチナ自治政府もイスラエルの延期を確認した。

AP通信によると、ヨルダン川西岸地区で家族の帰りを待つ人々はイスラエル政府の発表に困惑し、途方に暮れているという。

22日に解放された6人のうち5人はマスクを着用したハマス戦闘員と共に群衆の前に現れた。

イスラエルは延期の理由のひとつについて、「人質の尊厳を貶める儀式と、プロパガンダのための人質の利用」を挙げている。

この6人は停戦第1段階で解放された最後の生存者である。第1段階の残り期間は1週間となっている。停戦第2段階の協議はまだ始まっていない。

停戦協定の概要
▽第1段階の停戦は1月19日(日)に発効。6週間続く予定。

▽ハマス側はパレスチナ人捕虜と引き換えに、33人のイスラエル人捕虜を段階的に解放する。

▽イスラエル軍は停戦の第1段階として、ガザ境界の700メートル地点まで撤退する。

▽イスラエルは終身刑250人を含む約2000人のパレスチナ人受刑者を段階的に釈放する。

▽イスラエルはガザ地区内で負傷した人々が治療を受けるために移動することを許可する。

▽イスラエルは停戦開始から7日後にガザ南部とエジプトを結ぶラファ国境検問所を開放する。

▽イスラエル軍はガザとエジプトの境界フィラデルフィ回廊からの撤退を開始し、第2段階で完全に撤退する。

▽停戦の第1段階中、毎日600台の援助トラックをガザ地区に送り、食料や医薬品などを難民キャンプなどに届ける。

▽恒久的な和平に向けた同盟国による間接協議は第1、2段階中継続される。

▽ハマスは残りのイスラエル人捕虜を第2段階以降に解放する。

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