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▽政府は20日、永続的な法的資格を持たない推定52万人のハイチ人に対するTPSを終了すると発表した。
2025年2月20日/米ニューヨーク州、ハイチ移民の保護を訴えるデモ行進(AP通信)

米ニューヨーク州のハイチ人コミュニティは22日、トランプ政権がハイチ移民の一時保護資格(TPS)プログラムを打ち切ると発表したことに怒りを表明した。

ハイチ移民を支援する団体の代表は声明で、「トランプ政権が紛争で引き裂かれたハイチへ何千人もの強制送還を強いる可能性のある保護打ち切りに唖然としている」と述べた。

また代表は「多くのハイチ人がこの決定に失望し、当局から身を隠すために町を離れる人もいる」と明らかにした。

政府は20日、永続的な法的資格を持たない推定52万人のハイチ人に対するTPSを終了すると発表した。

国土安全保障省(DHS)は声明で、「トランプ政権はTPSを一時的なものという本来のステータスに戻す」と述べた。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

首都ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。中部アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

この結果、100万人以上が住まいを失い、その場しのぎの不衛生なテントやシェルターで避難生活を余儀なくされている。ギャング紛争が始まって以降、国を離れた市民は数十万人と推定され、一部は米国を目指している。

バイデン前政権は昨年6月、米国内のハイチ移民約30万人のTPSを延長する際、「彼らが助けを求めていることを知っている」と述べていた。

ノーム(Kristi Noem)国土安全保障長官はこの措置を8月3日に終了すると発表。TPSは母国が自然災害や武力紛争、その他異常事態に見舞われた場合に適用される。

バイデン前政権はこのプログラムを大幅に拡大し、現在では17カ国の100万人以上が対象となっている。

バイデン前政権はトランプ(Donald Trump)大統領就任の1週間前にベネズエラ、エルサルバドル、ウクライナ、スーダンのTPSを延長。ハイチ移民の保護期間は2026年2月3日までとなっていた。

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