▽カイバル・パクトゥンクワ州はアフガニスタンと国境を接し、近年テロが多発。その多くに同国最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)が関与している。
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パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州で治安部隊が大規模な軍事作戦を展開している。
現地メディアによると、同州クラム地区で21日、陸軍による対テロ作戦が行われ、少なくとも48人が逮捕されたという。
クラム地区では昨年11月にイスラム教シーア派とスンニ派の対立が激化。武装集団がシーア派の信徒を乗せたバスや車を攻撃し、52人が死亡した。逮捕者は出ていない。
この攻撃後、いくつかの地域で敵対するグループによる報復が相次ぎ、少なくとも130人が死亡、200人以上が負傷した。
その結果、クラム地区に通じる幹線道路は全て封鎖され、食料、医薬品、燃料の輸送が困難になった。
両派は先月初め、地区内の地下壕を解体し、武器を政府に引き渡すことで合意。和平を約束した。
当局によると、陸軍は支援物資を積んだトラックを護衛する部隊を襲撃したとして、48人を逮捕したという。容疑者の身元は明らかにされていない。
AP通信は当局者の話しとして、「48人のうち何人かはシーア派教徒への攻撃にも関与した」と伝えている。
武装集団はトラックを護衛していた陸軍兵士を5人殺害している。
陸軍はこれを受け、カイバル・パクトゥンクワ州全域を対象とする軍事作戦を開始。治安が回復した地域から夜間外出禁止令を緩和する予定だ。
カイバル・パクトゥンクワ州はアフガニスタンと国境を接し、近年テロが多発。その多くに同国最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)が関与している。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切った。