▽セルビアでは昨年11月から政府与党と北部ノビサドの駅天井崩落事故に抗議するデモが全国各地で行われている。
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セルビアの首都ベオグラードで20日、政府与党に抗議する集会が開かれ、数千人が参加した。
現地メディアによると、デモ隊は市内各地から5つのグループに分かれて市中心部の広場に向かって行進したという。
セルビアでは昨年11月から政府与党と北部ノビサドの駅天井崩落事故に抗議するデモが全国各地で行われている。
このデモは各地の学生ユニオンが主催。多くの学生が講義をボイコットし、政府に説明を求めるため、デモに参加している。
この結果、国内のほぼ全ての大学が閉鎖される事態となった。
ノビサドの事故は市中心部の鉄道駅の入り口で24年11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む15人が死亡、2人が重傷を負った。
この駅は1964年に建設され、近年2度改修工事が行われたものの、崩落した天井は工事に含まれていなかった。直近の工事は中国の国営企業が請け負っていた。
ブチェビッチ(Milos Vucevic)前首相は先月末、対話に応じるようデモ隊に求め、辞任。ノビサドの市長も同日辞任した。
野党は広範な汚職とずさんな改修計画が事故を招いたとして、ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領に辞任を要求している。駅の落成式には多くの政府高官が出席していた。
政府与党は過去の抗議デモを鎮めることに成功してきたが、現在の学生運動は農業組合、弁護士、医師、裁判官、教師、俳優など、あらゆる階層から広く支持を集めている。
ベオグラード中心部の広場に集まったデモ隊は「ブチッチ辞めろ」「政権交代」などと書かれた横断幕を掲げ、笛や太鼓を鳴らして政府に抗議した。
AP通信によると、市内各地で渋滞が発生したという。
この学生集会はあらゆる層から支持を集めている。次の大規模集会は3月1日に南部の都市で開催される予定だ。
ブチッチ氏はデモ隊を「外国勢力」と呼び、公共放送RTSもデモ隊が外国から報酬を得ていると主張。「国家転覆を企てている」と連日放送している。
検察は昨年末、駅崩落に関連してベシッチ(Goran Vesic)前建設相を含む13人を起訴した。13人は公共の安全に対する重大な犯罪行為と公共工事で不誠実な対応をした罪に問われている。有罪が確定すれば、12年以下の懲役刑に処される可能性がある。