▽サラ氏は昨年11月、自身が暗殺された場合、マルコス・ジュニア氏とその妻、下院議長を殺害するために暗殺者と契約を結んだと明らかにした。
![](https://kagonma-info.com/wp-content/uploads/2025/02/フィリピンのマルコス・ジュニア大統領(右)とサラ・ドゥテルテ副大統領(ロイター通信)-1.jpg)
フィリピン国家捜査局(NPI)は12日、マルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr.)大統領を暗殺すると脅したとして、サラ・ドゥテルテ(Sara Duterte)副大統領を刑事告発すると発表した。
NPIの局長は記者会見で、「副大統領に対する扇動と脅迫の告発状は司法省に提出され、司法省がそれを支持するかどうかを決めることになる」と語った。
サラ氏は「NPIの動きを予想していた」と短い声明を出した。
サラ氏は昨年11月、自身が暗殺された場合、マルコス・ジュニア氏とその妻、下院議長を殺害するために暗殺者と契約を結んだと明らかにした。
NPIはこの事態を受け、サラ氏に召喚状を送り、マルコス・ジュニア氏との争いの詳細を明らかにするよう命じた。
マルコス・ジュニア氏とサラ氏は22年の大統領選で勝利して以来、何度も対立してきた。フィリピンでは副大統領も選挙で選出するため、同国を代表する2つの勢力がポストを占める結果となった。
マルコス家とドゥテルテ家はフィリピンで最も強力な一族であり、激しい権力争いを繰り広げてきた。
今回の暗殺論争の背景にはサラ氏の父であるドゥテルテ(Rodrigo Roa Duterte)前大統領とマルコス・ジュニア氏の確執がある。マルコス政権は国際刑事裁判所(ICC)の要請に応じ、ドゥテルテ氏の身柄引き渡しを検討している。
サラ氏は公的資金を不正に使用し、説明のつかない富を蓄えたという疑惑にも直面している。
サラ氏はマルコス・ジュニア氏が2028年に任期を満了した際、サラ氏が大統領選に立候補するのを阻止するために、恣意的に捜査当局を利用していると主張している。
サラ氏は自身が暗殺される恐れがあるという主張について説明していない。
議会下院は先週、サラ氏の弾劾決議案を賛成多数で可決。上院に送った。上院はこの採決時期について、5月の上院選挙後になるとしている。