▽昨年ハイチ全土でギャング紛争に巻き込まれて死亡した市民は確認できているだけで5600人を超え、2200人以上が負傷し、1500人近くが行方不明になっている。
アフリカ東部・ケニア国家警察の隊員144人が6日、中米ハイチの首都ポルトープランスに到着し、国連支援ミッションに合流した。
ケニアのルト(William Ruto)大統領はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「ルビオ(Marco Rubio)米国務長官と電話で話し、米政府の対外援助凍結からハイチミッションが除外されたことを称賛した」と記した。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。中部アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
この結果、100万人以上が住まいを失い、その場しのぎの不衛生なテントやシェルターで避難生活を余儀なくされている。ギャング紛争が始まって以降、国を離れた市民は数十万人と推定され、一部は米国を目指している。
国連ミッションはハイチ国家警察と連携してギャングを取り締まっているが、今のところ、目に見える成果は出ていない。
国連は4日、トランプ(Donald Trump)大統領による90日間の対外援助停止措置により、ハイチ国連ミッション向けの資金が凍結されたと明らかにした。
AP通信によると、トランプ氏はハイチ国連ミッションを凍結から除外することを認めたという。
現在、ケニア、エルサルバドル、ジャマイカ、グアテマラ、ベリーズが約1000人の警察官と兵士を派遣している。