スポンサーリンク
ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。
2025年2月4日/ハイチ、首都ポルトープランス、エルサルバドル軍の兵士たち(AP通信)

中米エルサルバドルの治安部隊が4日、ハイチ・ポルトープランスの空港に到着した。

国連支援ミッションを率いるケニア国家警察は声明で、「エルサルバドル軍の兵士70人が到着した」と発表。この70人は航空支援の専門知識をハイチ当局に提供する予定だ。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。中部アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

この結果、100万人以上が住まいを失い、その場しのぎの不衛生なテントやシェルターで避難生活を余儀なくされている。ギャング紛争が始まって以降、国を離れた市民は数十万人と推定され、一部は米国を目指している。

国連ミッションはハイチ国家警察と連携してギャングを取り締まっているが、今のところ、目に見える成果は出ていない。

ケニアは先月、増援部隊を派遣。さらにジャマイカやグアテマラなども警察官、兵士、その他職員を派遣する予定だ。

ポルトープランス近郊のケンスコフでは先月末から戦闘が激化。少なくとも40人が死亡し、数万人が避難を余儀なくされている。

米国などはこのミッションを国連平和維持活動(PKO)に移行させようとしているが、常任理事国のロシアと中国がこれに反対している。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク