▽ドイツでは2月23日に連邦議会選挙が行われる。
ドイツ全土で2日、最大野党・キリスト教民主同盟(CDU)と極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に抗議する集会やデモ行進が行われ、数万人が参加した。
ベルリン、ハンブルク、ミュンヘン、ケルン、ライプチヒのデモ参加者たちは次期首相の最有力候補であるCDUのメルツ(Friedrich Merz)党首が移民規制法案を提出したことを非難。一部のCDU支持者はこれを「裏切り」と呼んだ。
メルツ氏は先月末に発生した移民によるナイフ襲撃事件の後、不法移民を取り締まるというコミットメントを強化。国境警備を強化し、移民の受け入れを拒否するよう促している。
メルツ氏は今週、不法移民の取り締まり強化を求める強制力のない動議を国会に提出。AfDがこれを支持し、僅差で可決された。
その後、メルツ氏は移民規制法案を提出するも、CDU議員12人が造反。反対多数で否決された。
ドイツでは2月23日に連邦議会選挙が行われる。最新の世論調査によると、CDUの支持率は30%を超え、政権を奪取する見通し。AfDの支持率は18~21%で推移し、CDUに次ぐ2位につけている。
一部のCDU支持者はメルツ氏がAfDを連立政権に引き込むのではないかと懸念している。
AfDは2013年に発足した極右政党で、過去の党首は過激な政策を掲げ、情報機関の監視対象になっている。2014~15年のシリア難民危機時には移民に対する批判を利用して支持を集め、2017年に連邦議会に進出した。
AfDのワイデル(Alice Weidel)党首は反イスラム、反移民政策の推進を公約に掲げている。
現地メディアによると、ベルリンのCDU事務所前で数百人が抗議デモを行い、警察ともみ合いになる場面もみられたという。ベルリン市内では約2万人が集会に参加した。
メルツ氏はAfDとの連立を否定している。