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▽次期首相の最有力候補であるメルツ党首は法案を支持するよう求めたが、CDU議員12人が反対に投じた。
2025年1月31日/ドイツ、首都ベルリンの連邦議会、野党・キリスト教民主同盟(CDU)のメルツ党首(AP通信)

ドイツ連邦議会下院(定数734)は1月31日、最大野党・キリスト教民主同盟(CDU)が提出した移民規制の強化を求める法案を反対多数で否決した。

次期首相の最有力候補であるメルツ(Friedrich Merz)党首は法案を支持するよう求めたが、CDU議員12人が反対に投じた。

メルツ氏は先週発生した移民によるナイフ襲撃事件の後、不法移民を取り締まるというコミットメントを強化。国境警備を強化し、移民の受け入れを拒否するよう促している。

反対派は移民の受け入れを拒否することで極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」がさらに支持を伸ばす恐れがあると懸念している。

ドイツでは2月23日に連邦議会選挙が行われる。最新の世論調査によると、CDUが政権を奪取する可能性が高い。なお、AfDの支持率は18~21%で推移し、CDUに次ぐ2位につけている。

メルツ氏はAfDとの連立を否定。「あり得ない」と言明している。

メルツ氏は今週、不法移民の取り締まり強化を求める強制力のない動議を国会に提出。AfDがこれを支持し、わずか3票差で可決された。

メルツ氏の前任であるメルケル(Angela Merkel)前首相はこの動議を批判。メルケル氏が公の場でメルツ氏を批判したのは初めてであった。

下院は採決の結果、法案を賛成338ー反対350(棄権5)で否決した。結果が発表されると、歓声と拍手を送る議員もいた。

メルツ氏は会見で、自党の12人がこの案を支持しなかったと述べ、「不法移民を取り締まるという本来必要なはずの方針転換は政府与党のせいで失敗に終わった」と嘆いた。

AfDは2013年に発足した極右政党で、過去の党首は過激な政策を掲げ、情報機関の監視対象になっている。2014~15年のシリア難民危機時には移民に対する批判を利用して支持を集め、2017年に連邦議会に進出した。

AfDの支持率は堅調に推移しているが、他政党はAfDとの連携を拒否しているため、ワイデル(Alice Weidel)党首が首相に就任する可能性は低い。

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