▽メルツ党首は不法移民の取り締まり強化を求める動議を国会に提出。極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」がこれを支持し、3票差で可決された。
ドイツのメルケル(Angela Merkel)前首相が30日、来月の総選挙で政権奪還を目指す最大野党・キリスト教民主同盟(CDU)のメルツ(Friedrich Merz)党首を批判した。
メルツ氏は不法移民の取り締まり強化を求める動議を国会に提出。極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」がこれを支持し、3票差で可決された。
メルケル氏はCDUの前党首である。
ドイツでは2月23日に連邦議会選挙が行われる。最新の世論調査によると、CDUが政権を奪取する可能性が高い。なお、AfDの支持率は18~21%で推移し、CDUに次ぐ2位につけている。
この動議により、CDUの連立政権にAfDが参加するのではないかという懸念が高まっている。
メルツ氏は先週発生した移民によるナイフ襲撃事件の後、不法移民を取り締まるというコミットメントを強調。国境警備を強化し、移民の受け入れを拒否するよう求める強制力のない動議を採決にかけた。
メルケル氏は声明で、メルツ氏が昨年11月、「AfDの支持を得て可決されるべき施策はない」と発言していたに言及した。
メルケル氏は「メルツ氏の立場を支持していたが、今回の動議可決により、彼がこの提案にコミットしていると思うのは間違いだと分かった」と批判した。
メルツ氏は25日、首都ベルリンで行われた反極右デモへの連帯を表明し、一致団結して極右に勝利すると誓った。