▽EU加盟27カ国のウクライナ支援額(約束含む)は米国を上回っている。
EUのカラス(Kaja Kallas)外交安全保障上級代表は22日、トランプ(Donald Trump)米大統領がウクライナ支援の見直しを進める中、「EUがウクライナ支援で米国に後れを取っている」というトランプ氏の主張は誤りであると指摘した。
EU加盟27カ国のウクライナ支援額(約束含む)は米国を上回っている。
トランプ氏は22日、ウクライナへの武器支援の問題について検討していると表明。「EUはウクライナ支援にもっと力を入れるべき」と批判した。
カラス氏はロイター通信のインタビューで、「EUはウクライナに1340億ユーロ(約21兆8400億円)以上を提供している」と語った。
またカラス氏はトランプ氏がロシアに圧力をかけていることについて、「プーチン(Vladimir Putin)大統領と直接会って話をするのであれば、EUも参加すべきだ」と強調した。
トランプ氏は22日、プーチン氏がウクライナ戦争の終結に向けた交渉を拒否した場合、ロシアにより強力な制裁を科す可能性があると警告した。
一部の欧州政府関係者はトランプ氏がウクライナを通さずにプーチン氏と直接取引するのではないかと懸念している。
カラス氏は「ロシアとウクライナの間にどんな交渉や合意があるにせよ、それは欧州にも関係する。つまり、欧州なしで話しを進めることはできないということだ」と語った。
またカラス氏は月末に期限切れを迎える対ロ制裁を維持するための合意について、加盟27カ国の継続合意を得ることができるという見方を示した。
ロシア寄りのハンガリーは今のところ更新を支持していない。ハンガリー政府はロシア制裁の将来について、まずトランプ政権と協議すべきと主張している。
カラス氏はこう強調した。「今、制裁を弱めたり、解除したりする理由はない」
ロシアのリャプコフ(Sergei Ryabkov)外務次官は23日、トランプ氏と交渉できる機会がわずかながらあるとみており、プーチン氏とトランプ氏との協議に向けて準備を進めていると明らかにした。