▽ペトロ大統領は南部の港町ジャクメルから首都ポルトープランスに移動する予定だ。
コロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領が22日、中米ハイチに到着した。
コロンビア大統領府によると、ペトロ氏は暫定大統領評議会の高官らと会談し、農業、技術、経済などの分野に焦点を当てた共同プロジェクトの可能性について協議する予定だという。
ペトロ氏は南部の港町ジャクメルから首都ポルトープランスに移動する予定だ。
ポルトープランスの国際空港は昨年11月に民間旅客機がギャングの発砲を受けて以来、旅客機の運航を見合わせている。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは2年以上前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。中部アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
この結果、70万人以上が住まいを失い、その場しのぎの不衛生なテントやシェルターで避難生活を余儀なくされている。
ハイチ国家警察とケニア率いる国連支援ミッションがギャングの暴力を封じ込めようと奮闘する中、ペトロ氏の訪問が実現した。
ペトロ氏はハイチ訪問に先立ち、隣国ドミニカでも大統領らと会談。経済安全保障分野での連携強化について協議した。