▽シドニーでは23年10月にガザ紛争が始まって以来、ユダヤ人コミュニティへの嫌がらせや暴力が相次いでいる。
オーストラリア・シドニーの警察当局は21日、ユダヤ人コミュニティに対する攻撃が相次いでいることを受け、警察官を増員しパトロールや取り締まりを強化すると発表した。
シドニー近郊のユダヤ人コミュニティにある託児所が21日未明に放火されて以来、警察はユダヤ人が多く住む地区のパトロールを強化している。
この託児所は内部がほぼ全焼。近くの壁には反ユダヤ主義的な落書きが書かれていた。ケガをした人はいなかった。
警察は防犯カメラの映像から、午前1時頃に出火したと説明。落書きと放火が同一人物によるかは不明だ。
シドニーでは23年10月にガザ紛争が始まって以来、ユダヤ人コミュニティへの嫌がらせや暴力が相次いでいる。
シドニーとメルボルンにはオーストラリアのユダヤ系住民の85%が住んでいる。
昨年12月にメルボルンのシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)で起きた放火事件では1人が火傷を負った。
ニューサウスウェールズ州警察の長官は21日の記者会見で、「シドニーにおける反ユダヤ犯罪を捜査するために、数ヶ月前に結成されたタスクフォースの要員を増強する」と語った。
このタスクフォースは反ユダヤ関連の犯罪で180人以上を逮捕したと報告している。
2021年の国勢調査によると、オーストラリアにおけるユダヤ系住民の数は約11万7000人。総人口に占める割合は0.46%となっている。